「農民」記事データベース20240318-1593-04

畑作の実践を交流する集い

「畑作50年のイロハを語る」

北海道農民連副委員長
大沢稔さんがお話
(小清水町畑作農家)


畑に毎年堆肥入れて
生産力を高めてきた

 水田交付金を頼りに小麦や大豆などをつくる北海道当別町で、「畑作50年のイロハを語る」と題し、畑作の実践者と交流する集まりが2月14日に行われ、北海道農民連副委員長の大沢稔さん(小清水町の畑作農家)がお話ししました。

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畑作のイロハを語る大沢さん

 堆肥使う農業が当たり前に

 昨年の小清水町の平均収量は、10アール当たりで秋小麦が11・5俵、でんぷん用バレイショが4・2トン、てん菜が7・7トン(糖度14・1%)、大豆が6・2俵と全道でもトップクラスの高い生産力を誇っています。大沢さんは後継者夫婦と52ヘクタールで「毎年畑に堆肥を入れて生産力を高めてきた。小清水農民組合は堆肥の共同購入を取り組み、堆肥を使う農業が当たり前に行われている。私は畑作、弟は肉牛と共同経営を法人で進めてきた」「小清水町でも昨年は7割の農家が赤字になり、これからに不安をもっている。小麦の収穫で1週間しか使わない外国の輸入コンバインが、8千万円以上になり大変」などと話しました。

 家族全員が経営内容を知る利点

 参加者から「コンバインは何年で更新し、小麦は農協にはどういう形で出荷するのか」「法人のメリットは?」「家族経営で可能な面積はどのくらいか」などの質問が出されました。

 大沢さんは「補助金でトラクターに自動運転装置をつけると、1台250万円もする。法人化は経営に携わっている家族全員が経営内容を知ることができる利点もある。小清水農協は品種混入を防ぐために、秋まき小麦は「きたほなみ」だけにしており、コンバインで収穫した小麦は直接農協の施設に持ち込み、農協で乾燥調製して小麦製品を作っている。ジャガイモは、ジャガイモシストセンチュウという害虫の発生で大変な問題になっている」などと答えました。

 悩みはみんなで相談して解決

 最後に北海道農民連の富沢修一書記長は「政治を変えないとあと3年で多くの水田が交付対象から外れる可能性が高く、食い止める運動と声を上げることが大事だ。同時に、私たち農民も消費者に安全な食料を届け、環境や生態系を守る農業のやり方が必要になっている。除草剤ラウンドアップがハチミツから検出され問題になっている。悩みはみんなで相談して解決できるようがんばろう」と締めくくりました。


 訂正 3月4日付2面「北海道農民連・農政事務所に要請」の記事で「ホクレンの奥田善一副会長」とあるのは「ホクレンの徳田善一副会長」の誤りでした。

(新聞「農民」2024.3.18付)
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2024年3月

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