長びく飼料高騰、酷暑ダメージ酪農・畜産危機さらに深刻化
農民連
農民連は10月31日、今夏の猛暑と干ばつによる甚大な農作物被害への緊急支援と、深刻な経営危機が続く酪農・畜産への支援強化を求めて、農水省に緊急要請を行いました。(農作物被害の要請の詳細は2面) |
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要請書を手渡す長谷川敏郎会長(中央)と金谷さん(左) |
酪農・畜産危機を巡っては、一昨年からつづく飼料などの生産コストの高騰に加えて、今夏の酷暑で家畜が死んだり、繁殖障害が多発するなど大打撃となっています。
政府は今年春に、農民連をはじめ畜産・酪農家、消費者の要請に応えて「畜産・酪農緊急対策パッケージ」を実施。再生産はおろか日々の生活費すら事欠く酪農家・畜産農家にとっては、重要な支援となりましたが、支援内容はコスト増加分には遠く及ばず、経営危機はますます深刻化しているのが実態です。
千葉県の酪農家の金谷雅史さんは、「飼料などの高騰に乳価など価格転嫁が追いついておらず、1頭10万円くらいの直接支援がなければ、離農はもっと進む。来年夏には牛乳不足すらあるのではないか」と、切迫した現状を話しました。
また配合飼料の「新たな特例」について、金谷さんは「いま、酪農家の首の皮一枚をつないでくれているのがこの新特例だ」と表現。農民連は、年内とされている交付期限を延長するなど、配合飼料支援が削減されることがないよう、重ねて要求しました。
このほか価格下落が続く和牛や子牛の生産者への支援強化なども求めました。
[2023年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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