「農民」記事データベース20230501-1551-07

公演への意気込み、
農業への思い聞く

関連/「老いらくの恋―農の明日へ」
  /公演への意気込み、農業への思い聞く

 「老いらくの恋―農の明日へ」に出演する2人の俳優に、公演にかける意気込み、農業への思いを聞きました。


老後にも心に火を灯す
農次の世代に伝えていきたい

主人公の坂元農夫也役 葛西和雄さん

 今回、初めて農家の役を演じます。主人公の坂元農夫也は82歳、自分の生きがいとして農業に携わってきました。山下惣一さんの著書『農の明日へ』がベースになっていますが、自らの老いや病いに直面しながらも、農の喜びがあれば、生きる意欲や喜びを得る、その喜びを次代につなぐことができる、役づくりにあたり、そんなふうに考えました。

 私にとって、農業はあこがれではあるのですが機会はありませんでした。先日、知り合いに埼玉で畑を借りている方がいて、ジャガイモの植え付け体験をしてきました。慣れない作業でしたが楽しく、作業が終わった後に食べたおにぎりのおいしかったこと。

 東京都西東京市に住んでいますが、意外に果樹農園が多く、先日、お父さまが始めたブドウ園を継いだ近所の農家に話を聞く機会がありました。

 今の農政のことや栽培上の苦労をたくさん聞かせてもらい、愛情をもって農業に携わっていらっしゃる、農業とは人を喜ばせるものだと感じました。

 私の役は、山下さん自身が投影されています。山下さんが追い求めてきた食と農をつなぐ使命感をもって、農業のぬくもりを伝え、人と人とをつなぎ、地域のコミュニティーを維持する農業の役割と大切さ、魅力をみなさんに伝えたいです。

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「老いらくの恋―農の明日へ」に出演する葛西さん(右)と藤代さん


農業を通じ人とのつながり
成長していく姿を演じたい

新規就農者・芦川奈緒役 藤代 梓さん

 奈緒は、コロナ禍で職を失い、非正規で働く25歳です。失業、失恋などを経験し、失意のどん底のなか、これからどう生きていくのかを模索中に、農業に携わる人々と出会い、農に向き合う中で希望を見いだしていきます。

 奈緒役を演じるうえで、父(2月に急逝し、神奈川県農民連の事務局を務めていた藤代哲雄さん)の影響も大きかったと思います。父は農家ではありませんが、私が幼少のときから家族でブルーベリー狩りに連れていってくれたり、農家の食の安全に対する思いや輸入食品の安全上の問題についてなど、農と食について身近に話をしてくれていました。

 先日、神奈川県小田原市でソーラーシェアリングを営んでいる小山田大和さんのもとを訪問し、お話をうかがいました。農産物も太陽光発電も地産地消で、人々のつながりの中からさらに新しいものも生み出され、農業そのものが循環型であることを学びました。

 農業の大切さとともに、環境のこと、今の社会のことを、見てくださる方々と一緒に考えていけたらと思います。人とのつながりを通じて成長していく、そんな奈緒の姿を特に若い人に伝えたいです。

(新聞「農民」2023.5.1付)
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2023年5月

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