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国際雑穀年記念シンポ開く

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食料安保と飢餓解消の役割果たす

 国際雑穀年記念シンポジウム「雑穀の新たな潮流」が1月7日、神奈川県藤沢市の日本大学生物資源科学部で開かれました。雑穀研究会が主催し、日本雑穀協会、日本熱帯農業学会が後援。

 開会あいさつを兼ねた記念講演「雑穀新時代の幕開け」を雑穀研究会会長で日本雑穀協会の倉内伸幸会長が行いました。

 「雑穀は、食料としての高い栄養価や機能性、作物としての広い環境適応能力を有することから、世界の食料安全保障と飢餓の解消に大きな役割を果たすことが期待されている」と力説。雑穀の気候耐性と栄養面での利点に対する認識を高め、雑穀の持続可能な生産と消費の増加を通じて、多様でバランスのとれた健康な食生活につなげることを国際雑穀年は目的にしていると強調しました。

 世界3大穀物の小麦、トウモロコシ、稲は、イネ科穀物全体の約90%の生産量を占めており、世界中の人々の食料確保にとって重要である一方、雑穀類の生産量は穀物全体の1%、日本国内でも、雑穀として取り扱いのある大麦やソルガム、キヌアやアマランサスを加えても全体の数%程度にすぎないことを指摘。

 しかし「雑穀は、3大穀物が栽培できない乾燥地帯や痩(や)せた土地などでも栽培可能で、これらの地域では雑穀が主食であり貴重な栄養源として人々の生活を支えている」と述べ、国際雑穀年を、「雑穀の生産、加工、販売をはじめとした雑穀に携わる事業者や研究者、料理関係者のほか、教育機関や行政、関連する各団体の取り組みを再認識する機会にしよう」と呼びかけました。

 招待講演として、屏東科技大学(台湾)の林資哲・助理教授が「台湾で雑穀が大流行!」のテーマで講演しました。

 シンポジウム「雑穀研究最近の進歩」では、県立広島大学の福永健二教授が「アワの遺伝学」について報告。日本大学の磯部勝孝教授が、キヌアの作物学について述べ、奈良文化財研究所の庄田慎矢室長が「雑穀の考古学」について語りました。

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雑穀の多様な可能性について語り合いました

雑穀の魅力伝え次世代につなぐ

 総合討論では、林、福永両氏のほか、雑穀クリエーターの梶川愛さん、雑穀街道普及会の木俣美樹男さんがパネリストを務めました。梶川さんは、イベントでの雑穀料理のレシピなどを通じて、衣食住に関わる雑穀の魅力を伝え、次世代につないでいく重要性を語りました。

 閉会あいさつを日本熱帯農業学会会長で東京農業大学の志和地弘信教授が行い、「各地域で雑穀を通じて食文化の多様性を守っていくことが大事。今日のシンポジウムがその起爆剤になることを願う」と結びました。

(新聞「農民」2023.1.30付)
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2023年1月

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