「農民」記事データベース20230130-1538-01

農民連 第25回定期大会開催

要求で広く農民と結びつく
農民連づくりを!

 「一致団結して未来を切り開いていきたい。次世代の種をまき、絆を咲かせ、つなげていく使命を感じ、飛躍の年に希望を持って挑みたい」(参加者の感想から)――。「食料危機打開! 要求で広く農民と結びつく農民連づくりを」をテーマに農民連は1月17、18の両日、第25回定期大会を都内で開催しました。代議員・評議員など合わせて2日間でのべ約300人が参加しました。


新たなつながり生かし
春の大運動を進めよう

 地域に根を張る組織と運動提起

 長谷川敏郎会長が「農民連が結成されて34年、この間の日本の食料と農業問題がクローズアップされるときには必ず農民連のたたかいがあった。このことを確信にして、みんなが一斉に走り出すための意思統一がしっかりできたといえる大会にしよう」と開会あいさつを行いました。(2面に大要)

 藤原麻子事務局長が大会決議案について報告。「この2年間、市民と野党の共闘を発展させ、自民党農政を国連『家族農業の10年』の方向に転換させるチャンスととらえ、農民連の新しい活動ステージを開拓してきた」と強調するとともに、岸田政権による戦争する国づくりへの危険な暴走を批判しました。

 戦後最悪の食料・農業危機と気候危機を打開するために、自由貿易体制の転換、食料主権や農民の土地・種子・生産資材への権利などを網羅する「農民の権利宣言」の実現などが求められ、環境に優しいアグロエコロジーこそが持続可能な農業を進める力であり、今大会で提案される「アグロエコロジー宣言」(案)を討議しながら実践しようと呼びかけました。

 そのためにも「地域で消費者とともに農業を守る運動の積み上げで農政を転換させる力を築き上げることが大切だ」と指摘。国内の米生産の邪魔物であり、税金の無駄遣いであるミニマム・アクセス米の削減・中止、危機に瀕(ひん)する畜産を守る運動、消費税減税とインボイス制度の実施中止を求める運動をはじめ、「農業をめぐる様々な課題を消費者やあらゆる階層と手を結んだ食料自給率向上と国内での増産、食と農、地域を守る運動が求められる」と提起しました。

 さらに、「多様な運動を広げ、地域に影響力を持ち、根を張った組織づくりが求められている」と述べ、地域に根差した単組・支部(班)の強化、要求に強い組織づくりを目標に「春の大運動」を呼びかけました。

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「地域に根差し、影響力をもつ農民連を」と大会決議を報告

 要求で結びつき組織づくり急務

 千葉の酪農家、金谷雅史さんが駆けつけ、「みなさんが不断の努力を続け、たたかいを継続していることは大きな価値がある。農業・食料に対する消費者の意識を変えるためにも、みなさんと一緒に声をあげ続けたい」と連帯と決意のあいさつを行いました。

 2日間を通じて34人が熱く発言。

 北海道の富沢修一さんは、米、バター・脱脂粉乳、砂糖などの輸入を拡大する一方で、作付け・飼育を減らす農政を厳しく批判。畜産危機打開の要望書を約100通集めるとともに、水田活用交付金見直しの見直しを求める自治体の意見書が採択されるなど、「たたかってこそ展望が開ける。そんな展望を示す農民連をつくりたい」と表明しました。

 滋賀の田口源太郎さんは、米価下落対策を求めて農協回りと全自治体への請願提出を行った結果、19自治体中9自治体で意見書が採択され、「党派を超えて支持された」と報告。畜産の要望書も知り合いの酪農家を中心に回り、訪問先では「その署名だったらすぐにでもする」と快く応じてくれたことを語り、「運動を支える組織づくりをしていきたい」と述べました。

 富山の水越久男さんは、資材高騰対策を求める意見書が県議会で全会一致で採択されたことを紹介し、米価下落対策を求めて高岡市議会で意見陳述を行う機会が設けられるなど、「要求にもとづいて行動することが大事。地域に影響力をもつ農民連をつくることが急務だ」と訴えました。

 山形の梶昇司さんは、事業復活支援金の申請相談などで52人の仲間を増やしてきたことを語り、記帳講習会開催やニュースの発行などの努力で会員から「農民連に入ってよかった」という声があがるなど、さらに仲間づくりに奮闘する決意を述べました。

 栃木の國母克行さんは、新日本婦人の会との有機野菜ボックスに取り組むなかで、2人の生産者を仲間に迎え入れたことを報告。「納豆、こうじづくりなどを楽しみながらアグロエコロジーの実践を一緒に進めていきたい」と語りました。

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運動と仲間づくりの飛躍をめざして「団結がんばろう!」

 特別決議を採択 農と食を守ろう

 大会では、特別決議「『安保3文書』閣議決定はクーデター的暴挙! 戦争国家への暴走を許さず、農と食、国民生活を守るたたかいを今こそ」が採択されました。

 討論のまとめを藤原事務局長が行い、「これまでのたたかいで結びついてきた人たちを仲間に迎え入れよう。大会決議をよく読み、春の大運動で仲間づくりを進めよう」と呼びかけました。

 小倉毅副会長が「たたかう方向に未来がある。仲間の力を結集して運動と組織を大きくしよう」と閉会あいさつを行い、「団結がんばろう」で閉会しました。

 来賓あいさつが、全労連の小畑雅子議長、新日本婦人の会の米山淳子会長、日本米穀小売商業組合連合会(日米連)の相川英一専務理事、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)の村上真平代表(オンライン)、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)の原英彦事務局長からありました。

 政党からは、日本共産党の小池晃書記局長、れいわ新選組の、たがや亮衆院議員(オンライン)があいさつし、立憲民主党の逢坂誠二代表代行、社民党の福島瑞穂党首のメッセージが読み上げられました。

 国際農民組織ビア・カンペシーナからのビデオメッセージも披露されました。

(新聞「農民」2023.1.30付)
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2023年1月

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