「農民」記事データベース20230116-1536-04

酪農は“災害級”の緊急事態

日本から畜産の灯を消すな!

院内集会で痛切な訴え次々

関連/生産者と消費者の連帯で日本の畜産・酪農守ろう
  /日本から畜産の灯を消すな!


国民の食を守る政治に転換を

 「今月に入って2軒の酪農家が離農した。来年にはもう1軒。芋づる式にもっと離農してしまいそうだ」――22年12月22日に開催された「日本から畜産の灯を消すな!」のオンライン院内集会では、酪農家の痛切な訴えが相次ぎました。

 農民連の長谷川敏郎会長は主催者あいさつで、「日本の酪農・畜産を守る正念場だ。岸田政権は軍事費を倍増するために大増税と社会保障予算を削減しようとしている。日本の農業をつぶす政治とのたたかいの最先端に、酪農家と畜産農家がいる。今の畜産農民の苦しみは、すべての農民の苦しみと根源は一緒。国産の牛乳・畜産物を食べ続けられるよう、がんばりましょう」と、呼びかけました。

 安全安心の国産牛乳を生産する会の酪農家・根嵜(ねさき)太さん(茨城県)は、「この酪農の厳しい状況のなかで、政治が動かないのはなぜなのか」と告発。同じく神奈川県の酪農家の吉田雅章さんは、「この経営環境の厳しさで、若い酪農家でも農協から“牛もクラスター事業で建てた施設もすべて担保に入れなければ、金は貸せない”と言われている」と、語りました。

 千葉県の酪農家、金谷雅史さんは、北海道の酪農家のメッセージを紹介し、緊急支援を訴えました。

 北海道農民連の酪農家、小野寺孝一さんは、加工原料乳補給金単価の引き上げが49銭に抑えられたことに、地元農協の役員も「もう自民党支持はやめた。これからは酪農家も声をあげていくべきだ。農民連の行動に見習うべきだ」と発言していることを紹介。「災害級の緊急事態だ。補給金の算定ルールを見直し、期中改定すべきだ。輸入前提の交付対象数量も改めない限り、国内の酪農家は救われない」と述べ、「酪農家の仲間に言いたい。早まらないで、みんなでなんとか手を携えてこの危機を乗り越えよう」と、呼びかけました。

 主婦連合会の平野祐子副会長は、「輸入頼みの日本の食は、かつてないほど深刻だ。生産者の声に真剣に耳を傾け、手立てを取らねば、国内の農畜産業が壊滅してしまう。私たち消費者も一緒にがんばりたい」と、熱いエールを送りました。

 日本共産党の紙智子参院議員、田村貴昭衆院銀があいさつしたほか、立憲民主党の石垣のりこ参院議員がメッセージを寄せました。また生協や労働組合など17団体から賛同が寄せられました。

 第2部の農水省交渉では、第4次となる畜産農家の「個人要望書」約200人分を提出。酪農家や畜産農家への経営支援やコスト上昇分の補てんなどのほか、生産者団体と乳業メーカーとの対等な価格交渉に国が責任を持ってイニシアチブを発揮することなどを求めました。

(新聞「農民」2023.1.16付)
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2023年1月

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