「農民」記事データベース20221121-1530-04

インボイスで営農の権利奪うな

物価対策・減税と
インボイス中止求める大集会

関連/中止させるしかない インボイス


農民連 長谷川会長が発言(要旨)

 11月6日に東京・芝公園で行われた「物価高騰対策・消費税減税とインボイス中止を求める大集会」での農民連・長谷川敏郎会長の発言要旨です。

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 みなさん、ごくろうさまです。農民連の長谷川です。中国山地の島根で、和牛とお米づくりをしています。

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スピーチする長谷川会長

 今、農業はどの分野でも生産資材やエサ代、肥料が値上がりし、生産者の販売価格は上がらず、赤字が増えるばかりです。

 とりわけ深刻なのは畜産です。酪農の場合、ミルクの量を増やすのも減らすのも、3年ほど時間がかかります。工業製品のように、スイッチを切ればそれで済む、というようなものではありません。乳価が下がっても、子牛1頭がたった1100円でしか売れなくても、親牛に与えるエサを減らすことはできません。そのエサ代が去年の2倍にもなっています。酪農家・畜産農家はいつ経営を辞めるか、離農するか、そういう話ばかりです。

 そしてこの気持ちに追い打ちをかけているのが、インボイスです。農家の9割が売り上げ1000万円以下の免税業者です。もともと農業は、作物の豊作や不作、天候に左右され、その上に需給次第で市場価格が決まります。インボイスで課税業者になれば、赤字で出荷しても更に消費税を払うことになります。「農業をやめろ」と言わんばかりです。

 この30年間で、全国の農家は340万戸から100万戸をきりました。インボイスが始まると、市場出荷する農家は本当にいなくなります。私が住む農村や地方都市では、物々交換や消費者への直接販売で生き残るしかありません。そうなると農業のない都市で暮らす人々の食は一体どうなるのでしょうか。

 小規模家族農業を守ることは、国民の食料を守ることになります。

 農民の免税の権利を侵すな、営農の権利を奪うな、共にがんばりましょう。

(新聞「農民」2022.11.21付)
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2022年11月

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