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国は米を買い入れ食料支援を行え!

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全国に広がる農民連の食料支援

本来 国が「公助」として率先すべき

 新型コロナ禍による失業などで、職と住まいを失い、「食べたくても食べられない生活困窮者」が広範に発生しています。政府の新自由主義政策の矛盾がコロナ禍で加速し、貧困と格差も急速に拡大しています。

 農民連は年末に都内で行われた「なんでも相談会」に加えて、3月の新宿での「女性のための相談会」、5月の「大人食堂」に各地から農産物の寄付を募り、食料を配布し、大いに歓迎されました。

 日本民主青年同盟の困窮する学生への食料支援運動が全国的に取り組まれ、全国各地で農民連も米や野菜などを提供し、支援が広がっています。さらに、子ども食堂をはじめ、労働組合や医療団体などが行うフードバンクなどへの支援も実施または計画中です。こうした取り組みをさらに広げ、民間ボランティアに頼るのではなく、公的制度をつくらせる力にしていきましょう。

 コロナ禍で行き場を失った米を「政府は買い入れ、人道支援に回せ」の声が広がるなか、米による生活困窮者への支援の拡充を求める声が与野党を超えて強まっています。「米による困窮者支援制度」を野党の共通政策と総選挙の争点に押し上げるためにも全国各地で、食料支援の取り組みと要求運動を強めましょう。

 今回は、福島、千葉、福岡(2面)の取り組みを紹介します。


会員から支援米が続々

福島県農民連 大阪へ米7トン

 米が余ってても飯食えねぇ

 昨年から続くコロナ禍により米需要が消失し、米価下落が続く一方、食べたくても十分に食べられない人たちが増えています。感染拡大に伴う緊急事態宣言により休業、時短営業など雇用状況は悪化しており、生活に困窮する世帯が増えています。

 福島県農民連は昨年から福島大学へ米の支援を行ってきました。4月からは、「子どもの貧困問題大阪ネットワーク」を通じて米支援(まごころ便)を始めました。会員に「米が余っていても、飯食えねぇ。国がやらないなら、農民連がやる」と米や寄付金を募りました。

 持続化給付金で新たに加入された会員からも多くの協力をいただき、各単組の事務所には、次々と支援の米が届き、集まった米は6トンを超えました。出せる米がない会員からも多くの募金が集まりました。

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福島から送ったお米が大阪に届きました

 本当に助かる

 精米は地元の米卸業者に依頼し、急なお願いでしたが、支援のことを伝えると快く応えてくれました。まずは1トンを大阪市内の子ども食堂に届けました。受け取った代表の方は、「米は常に不足気味なので本当に助かる」と喜ばれました。

 続いて6トンの精米を数カ所にお届けしています。アルバイトのなくなった大学生や留学生、フードバンクにも配られる予定です。

 公助こそ率先を

 国のコロナ対策はPCR検査も休業店への補償も中途半端で支援額も少なく、感染が全国に広がっています。食料支援を必要とする人たちがさらに増えるなど、事態は切迫しています。これらの支援は本来「公助」として国が率先して行うべきです。秋までに行われる総選挙で政権交代し、明日食べるものに心配しなくていい食料・農業政策を勝ち取ろう。
(福島県農民連 佐々木健洋)


苦境にいる人助けたい

千葉県農民連 学生支援6回

 千葉県農民連は2020年12月から、地域の民主青年同盟(民青)などと、千葉大学や順天堂大学など地域の学生などへの食料支援を行なっています。これまでに約6回にわたって、県連から食糧支援の協力依頼を会員にお願いし、支援を行ってきました。

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昨年12月に行った1回目のもってけ市(印西市)

 今年の2月13日に印西市の順天堂大学さくらキャンパス前で行われた「第3回食材もってけ市@いんば」(民青いんば主催)は開始30分前から学生が100人以上列を作りました。千葉県農民連からも野菜やお米などを提供し、食料品や日用品など150〜200人分を用意。192人が訪れました。

 長ネギが学生に人気ということで、生産者に提供を呼びかけに行ったところ、無償で提供していただける一幕もありました。またバレンタインデーに合わせて、ボランティアスタッフからのメッセージ付きお菓子も配布。訪れた学生に喜ばれました。

 産直センターも支援に取り組む

 学生からは「惜しみなく『持っていきな』と言ってくれてうれしかったし元気が出ました」「バイトもできなくて食費を削っていたのでうれしい」と喜びの声が寄せられました。

 学生アンケートには「アルバイトができず収入が止まっている」「食費を削っており、栄養面が不安」「オンラインで通信費が負担」「学校の施設が使えないのに施設利用料が変わらないのはおかしい」といった切実な声が寄せられています。

 県内の他の地域でも、房総食料センターや多古町旬の味産直センターが、千葉大学の学生の支援活動に協力。北総農民センターも銚子市の千葉科学大学の学生支援を行っています。

 千葉県連の森吉秀樹事務局長は「バイトがないせいで食事を我慢しなければいけないのは、想像するだけであまりにも切なく悲しい状況です。だからこそ私たちにできることはやりたい。生産者も低米価などで大変ですが、『困っている人の役に立つなら』と協力してくれていると思います。こうした活動を続けながら、国は困窮者への支援を責任をもって行うよう、運動も進めていきます」と話しています。

(新聞「農民」2021.5.31付)
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2021年5月

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