乳製品は大幅輸入減これはヒドイ!
|
関連/これはヒドイ! 菅政権の米つぶし政治(1/2) /これはヒドイ! 菅政権の米つぶし政治(2/2) |
北海道・東北・北陸で平年並み以上となる一方で、東海以西を中心にウンカの大発生、登熟期の日照不足などにより、13県が「不良」、11都府県が「やや不良」となりました。とくに山口県では「平成の大不作」となった1993年の作況「74」を下回る「73」になっています。
西日本の産地の多くは自県内消費が中心で、買いたたかれることは少なかったのですが、コロナ禍による「過剰」在庫と主産地の「豊作」による価格暴落の影響からは逃れられず、作況77の大分県でも農協概算金が60キロあたり1000円も引き下げられています。
主産地は「コロナ貧乏」と「豊作貧乏」、不作の西日本は価格下落と収量減少のダブルパンチです。
出来秋の10月中旬、主な銘柄は軒並み前年産から2000円以上3000円近くの米価下落になっています(表1)。作況悪化でも、この傾向に変化はありません。
コロナ禍による米需要減少にもかかわらず、緊急買い入れなどの需給調整に乗り出す素振りも見せず、生産者に減反強化の「自己責任」を押し付けるだけの菅政権の米政策。これが米価暴落の元凶です。
農水省は同部会に、コロナ禍によって米需要が10万トン減ったことを示唆する資料を提示したにもかかわらず、コロナ対策は全くの棚上げ。そして、生産者委員から出された「現在の米価下落が続けば、法人経営でも米作りが続けられなくなる」など、政府に対策を求める意見を無視したうえで、来年の米生産をさらに56万トン削減するという過去最大の生産調整を提案しました(表2)。
ふだんは開会あいさつだけで退席する農水副大臣は、最後まで異例参加したうえで、閉会あいさつで「備蓄米を買ってくれという時代ではないですよね」と農業者団体の委員に向けて発言するなど“国に対策を要望するな。暴落対策は自己責任で”とどう喝しました。
一方で「高米価」は消費減につながると脅しながら、米価下落を招いた「過剰」の責任は生産者にあるとばかりに、農家自らが56万トンもの生産量を削減せよというのです。
なお、10月15日現在の作況が99となったことから、11月5日に基本指針が見直され、来年産米の生産目標は693万トンとし、生産調整上積みは30万トンになりました。しかし、最大級の生産調整の押しつけであることに変わりはなく、これで米価上昇につながるとは、とうてい言えません。
トビイロウンカの被害で坪枯れした収穫目前の水田(山口県下関市) |
これほどの米価下落を招いた主要因は新型コロナによる需要減少であり、せめて緊急買い入れなどの特別対策が必要です。
コロナによる減収を補てんする持続化給付金の申請運動を堂々と進めましょう。
要りもしないミニマム・アクセス米には手をつけず、豊作などによる過剰対策のツケをもっぱら国内の減産に押しつける政治を変えましょう。
この秋、米価暴落にストップをかけ、種苗法改悪阻止、食料自給率向上、家族農業経営と水田稲作を守る政治をつくる展望を開くために、ご一緒にがんばろうではありませんか。
1、新型コロナウイルス感染拡大の影響で起きた、「過剰」在庫を備蓄米として追加買い入れを行うことにより、米需給環境を改善し、価格下落を阻止するとともに、来年産米の過大な生産調整を回避すること。2、過剰在庫の保管経費等への補助を拡充すること。
3、主食用米から飼料用米等への転換にあたっては、産地交付金などの増額をはかり、主食用米並みの所得を生産者に補償すること。
4、国内では過大な生産調整を実行しながら、国内消費に必要のない外国産米(ミニマム・アクセス米)の輸入は中止・縮小すること。WTO(世界貿易機関)ルールにてらしてもミニマム・アクセス米数量は過大であり、少なくとも国内の需要状況に応じた輸入抑制を直ちに実行すること。
5、コロナ禍などによる生活困難者などへの食料支援制度を欧米並みに創設し、政府が買い上げた食料を支援すること。
[2020年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2020, 農民運動全国連合会