「農民」記事データベース20200921-1425-10

自民党政治を
大本から転換する
新しい政治を
(2/2)

関連/自民党政治を大本から転換する新しい政治を(1/2)
  /自民党政治を大本から転換する新しい政治を(2/2)


安倍政治を名実ともに
終わらせる決着は総選挙で

 戦後最悪の自由化政治

画像  安倍自民党は、12年12月の総選挙で「TPP断固反対、ウソつかない、ブレない自民党」(写真)を掲げて政権に復帰しましたが、その舌の根も乾かない13年3月にTPP(環太平洋連携協定)交渉入りを決め、日豪EPA(経済連携協定、15年)、TPP11(18年)、日欧EPA(19年)、日米貿易協定(20年)など、次々に自由貿易協定を締結しました。

 鈴木宣弘東大教授は、この自由化政治によって食肉類の自給率が10%台に落ち込み、野菜や乳製品の自給率も半減すると試算しています(3)。

 除草剤(グリホサート)汚染のパン、成長ホルモン入りの牛肉・豚肉、残留農薬たっぷりの野菜・果物……。食の安全は決定的に脅かされ、「安全な食料は日本の大地から」と願っても、日本農業が衰退すれば後の祭です(4)。

 破たんした安倍農政改革

 安倍前首相は、家族経営を守る政策を「既得権益の岩盤規制」と非難し、これらを破壊して「強い農業」をつくると叫んで「安倍農政改革」を強行してきました。

  眼目は「民間企業が障壁なく農業に参入できるようにする」「日本を世界で企業が一番活躍しやすい国にする」ことであり、そのために打った手は、次のように農業政策のほぼ全分野に及びます。

 (1)家族経営を追い出し、民間企業を含む「担い手」に農地の8割を集中させる――「農地バンク」制度、法人化偏重政策、農地法の改悪。

 (2)家族経営の協同組合である農協をつぶす――農協による共同購入・販売事業、信用(金融)・共済(保険)事業を解体。

 (3)価格保障を解体する――戸別所得補償廃止、米価維持のための生産調整の「農家の自己責任化」、牛乳・乳製品流通への企業参入。

 (4)農業生産の基礎であり、命の源である種子をアグリビジネスに明け渡す――主要農作物種子法廃止、種苗法改悪。

 (5)食料自給率向上の保障である国境保護を廃止する――日米貿易協定などの自由化協定。

 (6)世界最低の低自給率国・食料輸入大国である日本を、世界3位の食料輸出国にする大ボラ。

 安倍前首相は「体力が万全でないなかで、政治判断を誤ることがあってはならない」ことを辞任の理由にしましたが、7年8カ月の間、「政治判断の誤り」の連続だったのではないかといわざるをえません。それほどデタラメ続きの政治でした。

 私たちはデタラメ改革に反対してたたかってきました。その結果、安倍農政改革は、目標を何一つ達成できないままです(5)。

 同時に、安倍農政改革は、日本の農と食に重大な「負の遺産」を残しました(6)。とくに重大なのは食料自給率が戦後最低に落ち込んだことです。

 農業就業人口は3分の2に減り過疎化と地域の衰退が進みました。

 安倍政権の終焉(えん)は新しい激動の時代の始まり

 “安倍首相なき後の安倍政治”を許さず、安倍政治を名実ともに終わらせるためには総選挙で決着をつけなければなりません。

 市民と野党の共同を発展させて政権交代をかちとり、国民が主人公の新しい政治、家族農業を基調とする農業政策に転換させるために、今こそ全力をつくそうではありませんか。


*菅新政権の動向・政策については、次号で報道します。

(新聞「農民」2020.9.21付)
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2020年9月

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