グリホサートの規制・禁止は世界の流れ
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「ラウンドアップやラウンドアップ耐性の遺伝子組み換え(GM)を投与されたマウスに腫瘍(しゅよう)ができ、死亡した」という報告は、「自然環境内では分解され、人体にも安全」と言われていたグリホサートの安全性に大きな疑問を投げかけました。
同論文は遺伝子組み換え推進団体の反論で一度雑誌への掲載が取り消されました(後日、他誌で再掲載)が、この論文以降グリホサートの研究報告が増えていきます。
ホームセンターにあふれるラウンドアップなどのグリホサート製品 |
19年2月には高い濃度のグリホサートが非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫の一種)のリスクを増加させることも報告されました。
19年にカリフォルニア大学などの研究グループが出生前にグリホサートなどの農薬にさらされることが、子どもの自閉症スペクトラム障害と関連しているとする研究結果を発表しました。
今年に入っても千葉大学のグループが、グリホサートのパーキンソン病や自閉症発症への影響を指摘しています。
18年3月にアメリカでは、グリホサートにさらされた妊婦の妊娠期間が短くなると報告され、今年7月にはアルゼンチンの研究グループが、グリホサートやその製剤が受精卵の着床異常に関連していると報告するなど、生殖機能への影響も懸念されます。
こうした中、国際産婦人科連合は19年7月に「グリホサートは全世界で、段階的に使用をやめるべき」と勧告を出しました。
ブエノスアイレス大学の研究チームが18年と19年に報告した研究では、グリホサートがミツバチの学習能力や認知能力、感覚能力に悪影響を与え、群れの維持を脅かすことが指摘されています。また18年には中国とアメリカで、それぞれミツバチやその幼虫の腸内細菌にグリホサートが悪影響を与えるという研究が報告されました。
グリホサートはさらされた世代が直接影響を受けるだけでなく、次の世代やその次の世代にまで影響を与えることも研究が発表されています。微量ではあっても、食品からの摂取には十分警戒が必要です。
[2020年8月]
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