分析センター
ネオニコ知の井戸
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ネオニコ関連の情報を紹介します!
農薬登録で野生ハナバチ類への影響評価が必要に
7月6日付の新聞「農民」では、農民連食品分析センターの調査データや新しい生産方法を模索する実践から、ネオニコチノイド系農薬(ネオニコ)に頼らない取り組みの提案を盛り込んだ特集を掲載しました。
いま、ネオニコには逆風が吹きつつあります。人体や環境への影響を指摘するニュースや研究論文などが、かなり速いスピードで増えています。ネオニコと向き合うには、まず、知るところからです。この連載では、特集記事ではふれられなかった新しい情報と、ネオニコのなぜ?なに?などを踏まえた話題をコンパクトに紹介していきます。
1回目の話題は、環境省が、ニホンミツバチやマルハナバチなど「野生ハナバチ類」を、農薬を登録する際の環境影響評価の対象に加えることを決めた、というニュースです。
今まで対象になっていなかったことがむしろ驚きですが、今後は、新規に農薬を登録する際には、野生ハナバチ類に与える影響を評価しなければ、登録を認めないことになります。
食料の90%を作っている100種類の作物のうち、70種以上はハナバチ類が受粉してくれなければ、実らないといわれています。国がハナバチ類への影響を、きちんと評価する必要を認めたことは、日本の農薬登録の流れの中で大きな変化であることは間違いありません。そして、この決定の原点にあったものがネオニコであったことは言うまでもありません。環境保全型農業が取り組まれる中、ネオニコの使用の是非を改めて考える必要があると言えるでしょう。
(新聞「農民」2020.8.3付)
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