突然の給食停止で大混乱
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関連/給食野菜 急きょ直売 /果樹共済 掛け金軽減へ支援を |
休校に伴い、学校給食も停止となったことから、食材を納入している生産者や農協、業者にもキャンセルや注文停止が相次いでいます。休止となった給食回数は1年間のうち約1割。この問題への対策を求めて、農民連、農民連ふるさとネットワーク、全国食健連は3月6日、江藤拓農水大臣に緊急要請を行いました。
江藤大臣(右から5人目)に要請書を手渡す一行 |
農民連の笹渡義夫会長は、「学校給食は地元産の食材を積極的に使うことも多く、地域経済への影響ははかりしれない。農業経営を守る立場から農水省としても補償に取り組んでほしい」と求めました。
江藤大臣は、「まず現場で起こっていること、必要とされていることを知ることが大切。財政的な裏付けも必要になるが、スピード感をもって対処したい」と、答えました。
千葉北部酪農協職員の信川幸之助さんは要請で、「中小規模の酪農農協ほど学校給食への依存度が高く、千葉北部酪農も3割が学校給食向け。また今後、生産が拡大することになるバターや脱脂粉乳の供給過多も心配。ぜひ対策をお願いしたい」と求めました。
江藤大臣も「脱脂粉乳の出口対策は必要だ。加工乳との差額の補てんも財務省と交渉し、しっかりやっていきたい」と回答しました。
要請で同センター副組合長の小林隆範さんは、「学校給食は精米販売であり、他の取引先に販売するにしても玄米出荷では単価が下がり減収になる。米など牛乳以外の食材のキャンセルにも支援が必要」と訴えました。
また野菜や果物のキャンセルも深刻です。供給センター長崎は、約35万円分のニンジンを大阪府の学校給食へ卸業者を通じて出荷した後にキャンセルが通知され、他の販売先を自分で探して転売しましたが、補償はありませんでした。
他にもふるさとネットワークの調査では、千葉・多古町旬の味産直センターのキャベツ、小松菜、玉ねぎなど野菜の注文が170万円分(3月分)キャンセルに、愛媛産直協同センターではかんきつ類が総額で50万円分近くキャンセルになったなど、続々とキャンセルの知らせが届いています。しかしどれも補償はされておらず、今後も支援を求めていくことにしています。
要請には、日本共産党の田村貴昭衆院議員、紙智子参院議員が同席しました。
「大地のめぐみ」の直売所の店頭に並んだ給食の人参 |
ところがツイッターでの発信を見て、多くの消費者が買い物に訪れ、「4月以降も休校が続いたら、大打撃だ」と不安を募らせていた生産者を大きく励ましています。
今冬は全国的に異常な暖冬・少雪が続いており、長野県、山梨県をはじめとした果樹産地では果樹の芽吹きが早すぎるという現象が広がっています。果樹は、芽吹きが早すぎるところに遅霜が降りると新芽が霜害にあい、実のなり具合に大きな被害を受けます。また近年、異常気象や自然災害でも果樹への大きな被害が激増しており、こうした被害への備えとして果樹共済制度の重要性が増しています。
ところが掛け金の高さに比して、被害を受けた時の支払額が少なかったり、被害基準が高すぎたりするために、共済加入率は全国でも2割程度しかないのが実態です。
そこで農民連では、もっと多くの果樹農家が共済制度を活用できるよう、自治体に掛け金への助成を求めています(詳細は2面)。
農水大臣への要請には長野県農民連の菊池敏郎事務局長らが出席し、芽吹き始めたアンズの花芽の写真などを見せながら、「国としても共済制度拡充に力を注いでほしい」と要望しました。
[2020年3月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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