農民の種子を企業のもうけにするな
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その後、現在まで、(1)独バイエル社がモンサント社を買収、(2)米デュポン社と米ダウ・ケミカル社が経営統合、(3)中国の国営企業・化工集団公司がスイス・シンジェンタ社を買収――するなど巨大多国籍企業同士の買収・合併が相次いでいます。こうして、3つのグループで種子や農薬の売り上げの約7〜8割を占めるなど、独占が進んでいます。(右図)
種子の企業支配をもたらし、支配の手段となってきたのが知的所有権(新品種保護制度と特許制度)です。1961年にUPOV(ユポフ=植物の新品種保護に関する国際条約)が成立し、それに呼応して日本では種苗法が制定されました。
こうしたアグリビジネスによる世界戦略は、生命特許の考え方を確立し、80年に微生物、85年に植物、88年に動物が特許の対象になりました。特許とは本来、工業製品に対してかけられるものです。その後、91年にUPOVが改正され、育成者権が強化されました。保護の対象も農作物430種類から全植物種に拡大され、収穫物や加工品にまで権利が及ぶことになり、あわせて特許も認められることになりました。こうして農家の自家採取が制限されていきました。この流れに沿って、国内では、98年に種苗法が全面改定され、育成者権が強化されてきました。
また、1995年にWTO(世界貿易機関)が設立され、TRIPs(知的所有権)協定が発効し、生命特許の国際化がさらに進みました。98年に遺伝子特許も成立し、「遺伝子特許を制する者が種子を制し、種子支配が食料支配をもたらし、食料を制する者が世界を制する」という構図ができたのです。
[2020年3月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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