「農民」記事データベース20190422-1357-12

前進座5月国立劇場公演
通し上演「佐倉義民伝」


重税に命かけてたたかった生涯

 劇団前進座が歌舞伎「佐倉義民伝」の通し上演を51年ぶりに東京・国立劇場で行います。

 「佐倉義民伝」は江戸時代に重税にあえぐ農民を救うために立ち上がり、最後は命がけで将軍に直訴。処刑された名主、木内惣五郎を描いた作品です。「門訴から子別れまで」の練り上げられた演出で前進座歌舞伎の代表作の一つに挙げられています。

 公演に先立ち2月27日には、宗五郎役の嵐芳三郎さんとおさん役の河原崎國太郎さん、渡し守甚兵衛役の藤川矢之助さんが、惣五郎が眠る千葉県成田市の宗吾霊堂を訪れ、成功祈願。惣五郎の生家も訪れ、桜の植樹を行いました。

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宗吾旧宅で記念の植樹をする(右から)河原崎さん、嵐さん、藤川さん

 嵐さんは「身の引き締まる思いです。人々のために身を犠牲にした人がいたことを知ってほしい」と抱負を話し、藤川さんは「みなさんに明るく帰っていただけるような芝居にしたい。光然役も務めるので、護摩をたく光景は参考になりました。通し上演ですので話の内容がすとんと落ちると思います」と語りました。

豊かに生きるために何が必要なのか
考えるきっかけに

 51年ぶりの公演 元気出る芝居に

 このタイミングで51年ぶりの通し公演を行うことについて、河原崎さんは「今回の上演では最後の演出を変えて演じます。重税が緩和されても元に戻るのではという不安の中にいる民衆が、『宗吾様の意志を継いでがんばろう』と立ち上がる、元気の出る芝居にしていきたい」。

 藤川さんは「やはり重税ですよ。私たちが豊かになるためには何が必要なのか、考える時期だと思います」と話します。

 運動の励みになればうれしい

 千葉県農民連の小倉毅副会長(印旛郡栄町在住)は「惣五郎は千葉の農民運動にとって大きな先人です。消費税増税や国保料引き上げなど大増税が狙われているときに、命をかけて増税に反対した惣五郎の生き様が運動の励みになればうれしい」と語ります。

 公演は5月11日から22日まで国立劇場で行われます。新聞「農民」読者には割引もあります。ぜひお出かけください。


あらすじ

 江戸幕府4代将軍家綱の治世。佐倉藩主堀田上総介は数年続きの凶作にもかかわらず年貢の割り増しを領民に課します。

 名主総代の宗五郎は領民たちと江戸の堀田家上屋敷の門前で窮状を訴えますがはねつけられます。

 宗五郎は最後の手段として、死を覚悟しての将軍への直訴を決意します。妻子に別れを告げるため、雪の中、国許へ戻る宗五郎。印旛沼では渡し守の甚兵衛が佐倉藩の禁制を破って船をだし、ようやく妻おさんと子のもとへ帰り着きます。

 妻子に罪が及ばないよう、おさんに去り状(離縁状)を渡し、別れようとするのですが…。


前進座5月国立劇場公演
通し上演「佐倉義民伝」
会場 国立劇場(東京都千代田区隼町4―1)
公演日程 5月11日(土)〜22日(水)
料金 一等席1万100円、2等席4200円、
   3等席2600円、特等席1万2000円
   新聞「農民」読者割引がありますのでお問い合わせください
問い合わせ 前進座東京事務所 電話 0422(49)0300


 訂正 4月15日付3面「豊洲市場に重金属含む粉じん」の記事で、本文9行目「指摘した築地市場の欠点が」、26行目「築地市場内で堆積していた」の部分の「築地市場」は、正しくは「豊洲市場」でした。おわびして訂正します。

(新聞「農民」2019.4.22付)
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2019年4月

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