「農民」記事データベース20190128-1345-01

農民連
第23回定期大会開く

関連/笹渡義夫会長のあいさつ(大要)


日米FTAストップ

「家族農業の10年」の運動広げ、
結成30年の農民連を強く大きく

 「この大会に参加して農民連の30年の歩みが勉強できたことが私の宝になりました。40年続けてきた家族農業。これからも続けると思います。ものをつくってこそ農民、家族農業を守ってこそ農民連だと思っています」(奈良県農民連・宮本静子さん)――。農民連は1月15日から17日までの3日間、東京・大田区産業プラザで、結成30周年記念の第23回定期大会を開き、代議員・評議員合わせて47都道府県から約320人が参加しました。

 全国の農民連組織は、大会に向けて「仲間づくり月間」に取り組み、大会期間中も含めて全国で会員約70人、新聞「農民」読者約300人拡大の成果をあげました。すべての都道府県連が成果をあげて参加。新聞は6カ月連続の増紙のなかで大会を迎えました。

 笹渡義夫会長が開会あいさつ。「『つくってこそ農民』の旗を高く掲げ、強大な農民連の建設をめざして大奮闘する決意をお互いに固め合おう」と訴えました。(大要は2面)

 共闘共同広がり熱いメッセージ

 国連「家族農業の10年」がスタートする2019年。初めて、FAO(国連食糧農業機関)駐日連絡事務所からM・チャールズ・ボリコ所長(コンゴ出身)が来賓として参加し、あいさつをいただきました。

 国際農民組織、ビア・カンペシーナからは前国際調整委員のヘンリー・サラギさん(インドネシア)からビデオ・メッセージが届けられました。

 大会には、全国農業協同組合中央会(JA全中)、全国農業会議所など農業団体をはじめ、市民と野党の共闘の広がりを反映して、今回初めて全日本農民組合連合会(全日農)からメッセージが寄せられたほか、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、自由党の国会議員からも多数、共同・共闘への熱いメッセージが寄せられました。

 農協組合長が安倍農政にノー

 真嶋良孝副会長が「日米FTA・総自由化、安倍破綻政治を許さない」のテーマで特別報告。96%の農協組合長が安倍農政に反対し、不信と批判が広がっていることを示すアンケート結果を紹介し、総自由化に突き進む安倍政治を批判しました。国民生活全体に悪影響を及ぼす日米FTA(自由貿易協定)の問題点を指摘し、「TPP(環太平洋連携協定)反対を上回る運動で、日米FTA,総自由化ノーのたたかいを」と呼びかけました。

 吉川利明事務局長が常任委員会報告。「今大会は、総自由化路線と家族農業の尊重という2つの潮流の対決の中で開かれた」と切り出し、なぜ「家族農業の10年」なのか、総自由化路線のなかで、どう生産を守り、地域を守るか、日米FTA反対、消費税増税・インボイス制度導入ストップなどの運動を提起し、「仲間づくりの実践と教訓を全国で共有し、春の大運動を必ず成功させ、30周年記念大会を前進に転じるきっかけとしよう」と訴えました。

 さらに、農村で多数をめざし、要求運動・仲間づくりを支える組織づくりを呼びかけ、当面3月までの「春の大運動」を提起しました。

 15日は議事終了後、30周年のつどいを行い、佐々木健三元会長、白石淳一前会長に続き、出席した顧問が30年を振り返りながら、今後の運動への期待を語りました。

 地域と営農守る取り組みを交流

 16、17両日の討論では、81人が発言し、生産と地域を守る取り組み、自然災害の救援活動や仲間づくりなど各地の生き生きとした取り組みが報告され、30周年にふさわしい討論となりました。

 山形・庄内農民連の小林隆範さんは、東日本大震災の被災者支援の取り組みとして、炊き出しを65回、2万食分もの支援米60トンを送ったことを報告。保育園との提携などをもとに信頼関係を築き、消費者との運動で支援を進めていると述べました。

 千葉・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんは、新日本婦人の会との「産直運動カフェ」を通じて、2つの投票行動(選挙と買い物)を呼びかけていることを報告しました。

 岩手の小笠原憲公さんは、地域農業を守るために共同組織を立ち上げ、多面的機能支払交付金などを活用しながら草刈りの共同作業をはじめ、荒れたハウスの整備、U字溝の設置など、これまで個人ではできなかったことを次々と解決していることを紹介しました。

 大阪・阪南支部協議会の下村晴道さんは、豪雨被害で、被災者向け経営体育成支援事業が発動されたにもかかわらず、維新府政が農業用倉庫・玉ねぎ小屋再建の支援に消極的だったのに対し、粘り強く交渉を重ねて、支援を約束させ、「これで前向きに農業再建に取り組める」との農家の喜びの声を紹介しました。

 仲間づくりでは、千葉県連が新聞拡大で目標の70部を突破し、さらに増やそうと奮闘していること、長野県連は会員を10人拡大したことを報告しました。

 春の大運動に向けては、奈良県連が仲間づくりの様子を寸劇で披露したほか、「現勢は全国で下位の方だが後ろから追いかける」(鳥取)、「全国の先頭にたって2000人の目標を達成する」(福島)という力強い決意が出されました。

 吉川事務局長が「春の大運動を成功させて、組織を前進させ、統一地方選挙・参議院選挙に勝利し、安倍暴走政治を変えよう」と討論のまとめ。閉会あいさつで根本敬副会長は「世界と日本を変える扉を開くのは私たち農民連」だと述べ、「ビバ! 農民連」と全員で唱和しました。

 各地の逸品並び30年を振り返る

 15、16の2日間で、日本共産党の山下芳生副委員長(参院議員)、全労連の小田川義和議長、新日本婦人の会の笠井貴美代会長、全国沿岸漁民連の鈴木正男共同代表、全国革新懇の牧野富夫代表世話人、日本婦人団体連合会の伍淑子副会長、全国商工団体連合会の太田義郎会長、全国食健連の舘野豊事務局長、日本米穀小売商業組合連合会の相川英一事務局長から来賓あいさつがありました。

 大会初日のレセプションでは、農民連の歴史を振り返る「30年のあゆみ」ビデオが上映されました。

 47都道府県の農産物、地酒、加工品などの逸品が並び、参加者は舌鼓を打ちました。山田正彦・元農水大臣も参加し、あいさつしました。

(新聞「農民」2019.1.28付)
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2019年1月

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