「農民」記事データベース20180409-1306-08

農家の税金対策
(9)


事業所得か給与所得か

 農業所得は事業所得の一種です。所得税が課される所得の種類はいろいろありますが、どの種類に区分するのか迷うものもあります。なかでも農家が時々ぶつかるのが、事業所得と給与所得の区分です。

 耕起作業で報酬を受けたら?

 たとえば、他人の農地を耕してあげて報酬を受け取った場合、自分のトラクターを使い、作業の過程は任されていて、実際に作業するのがだれであるかは関係ないというなら、請け負った農家の作業受託収入であり、事業所得(農業所得の雑収入)です。先方のトラクターを使って、先方の指示に従って作業したなら、作業した人の給与所得になります。

 給与所得であれば給与所得控除が引けますし、消費税の課税売り上げになりません。

 給与所得に区分する4つの基準

 次の基準にすべて当てはまれば文句なしに給与所得です。

 (1)働いた人が働いた分だけもらう報酬であること、(2)作業用具や機械などは使用者が用意し、必要経費は使用者が負担すること、(3)使用者の指揮監督を受けること、(4)引き渡していない完成品が不可抗力のため滅失した場合でも、働いた分の報酬を請求できること。

 当てはまるものと当てはまらないものがあるときには、給与所得と事業所得の性格をあわせ持っていることになりますので、総合的に判断して申告します。

 雇人費か作業委託費か

 農業の必要経費のなかでも、雇人費か作業委託費なのか迷うときは、同じように4つの基準に当てはまれば雇人費とします。雇人費の場合、所得税等を源泉徴収し、納税する義務が発生します。また、消費税の一般課税で申告している場合に、給与は不課税であるため仕入税額控除ができませんが、作業委託費であれば、仕入税額控除ができます。


 訂正 3月26日付4面の「山形県置賜農民連女性部・こぶしの会が総会」の記事で、「総会を村山市で開催しました」を、「総会を川西町で開催しました」に訂正します。

(税金対策部)

(新聞「農民」2018.4.9付)
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2018年4月

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