伝統ある在来の良い種子守って
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ネギを植える吉岡さん(右)、尾熊さん(中央)、秋池さん(左) |
柔らかく甘みが特徴のネギで、農研ネギをもとに西田ネギや宏太郎ネギが生まれました。しかし農研ネギは傷みやすく、分けつするのでB品にしかなりません。また、収量も少なく、水が入ると腐りやすいことから、生産量が減少し、今では「幻のネギ」と言われることもあります。
「農研ネギには根強いファンがいるので、できるだけ生産を続けたい」と話すのは秋池さん。今は5人で1・3ヘクタールほど栽培しています。生協の共同購入への出荷がほとんどです。
海沢和弥さん(39)はハウストマトの生産者ですが、15年2月の大雪の後、吉岡さんの勧めで農研ネギに取り組みました。「種とりはおもしろいです。今年も台風で被害を受けた中で、品質のいいものを選んでいるので、少しずつ良い品種に変わっていくのかなと感じています」
12月1日には、5人が畑から選抜したネギ50本をそれぞれ持ち寄り、3年目の種取りに向けてハウスへの植え替えを行いました。
穴の中に次々とネギを植えていきます。「今年は忙しくてそれぞれが選んできたが、例年は5人全員で畑を回って選んでいます」と吉岡さん。畑の中で形状がよく一番元気のいいネギを選んできたといいます。
吉岡さんも海沢さんもそれぞれ子どもが後を継ぐ意思を持っています。「私が海沢さんに伝えて、海沢さんが私の息子に、私の息子が海沢さんの息子に、というように農研ネギがより良いものとなって伝わっていけばいいですね」と吉岡さんは期待しています。
[2018年1月]
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