「農民」記事データベース20170417-1259-02

農民連・農民連ふるさとネット・奈良県連

担い手づくりシンポ開く
(2/2)

新規就農者の育成や
地域活性化にヒント

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担い手づくりシンポ
現地視察のバスツアー

 2日目は現地視察のバスツアーが行われました。

明日香ビオマルシェ

オール有機の貴重な直売所
つくり手と買い手の
あたたかい交流の場所

 出店の生産者は村外からの移住

 まずは4年目に入った明日香村の明日香ビオマルシェ(朝市)を見学しました。飛鳥寺の遺跡の上にある元幼稚園の建物を改装した直売所「明日香夢の楽市」の駐車場で毎週金曜日に開催されています。村内でとれた有機栽培の野菜や、それを使ったお菓子や料理なども出ています。出店している生産者はほとんど村外からの移住者です。

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直売所の駐車場で開かれるビオマルシェ。この下には飛鳥寺の遺跡が眠っています

 中心になっている樽井一樹さん(40)も新規就農で明日香村に移住してきました。自然農法で古代米などを栽培しています。「オーガニックにこだわった料理屋さんと取引があった農家が集まって3年半前に立ち上げました。大和八木駅周辺に店を出している料理人さんが買い物に来ています。オーガニックということで直売所などより少し高めの価格にしているのですが、地元や近隣市町村のママさんたちも来てくれています」と紹介。

 出店者の野菜を使った料理も出しており、料理人を囲んでサロンのような集まりになっているなど、地域のコミュニティー作りにも一役買っています。

 また、この売り場だけではなく直売所などにも「明日香ビオマルシェ」のロゴをつけて出荷し、ファンになった人が買いに来ています。

 出店者はおそろいの机やケースに個性を生かしたおしゃれなレイアウトで商品を展示。参加者はそれぞれ、出店者との会話や買い物を楽しみながら様子を視察しました。

宇陀市の山口農園

地域の遊休地の解消
アグリスクールを運営
新規就農者の独立支援

 生産物を全量農園が買い上げ

 続けて参加者は前日に報告のあった宇陀市の山口農園を訪問。代表取締役の山口貴義さんが会社の概要を説明しました。同農園は標高4〜500メートルにあり、ハウス165棟、約10ヘクタールの農地で軟弱野菜の有機栽培を行っています。生産、収穫、調整、営業などの完全分業制が特徴です。

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山口農園の堆肥場も見学

 地域と自主防災協定を結び、地区の遊休地の耕作を引き受け放棄地の解消も実現しています。また新規就農者育成のために、公共職業訓練学校のオーガニックアグリスクールNARAを2010年に設立し、今までに約200人が卒業。7割が全国で就農しています。(詳細は後日掲載)

 JAS有機認証取得には、ほ場を3年間無農薬無化学肥料で栽培する必要がありますが、新規就農者が取り組むには負担が大きくなります。山口農園ではアグリスクールの学生用農場として耕作を行い、すでにJAS有機の条件を見たしているほ場を独立希望者に耕作を任せ、JAS有機認証をスムーズに取得できるようにしています。また、同社から独立した人たちとグループを作り、生産物を山口農園が全量買い上げ、同じブランド、パッケージで販売することで就農者の経営を支援しています。

 堆肥場や出荷場くまなく見学

 参加者は堆肥場や出荷場も見学しさまざまな質問をしていました。

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帰りのバスでは奈良県農民連北和センターの手作り弁当を堪能。おいしい!

 福島県浜通りから参加した「NPO法人野馬土」の職員、加藤裕也さん(23)は「まだ農業のことをよく分かっていないのですが、農家の現状を聞き、どうやって収益を上げるのか、新規就農者を増やすのか、いい勉強になりました」と感想を話していました。

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(新聞「農民」2017.4.17付)
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2017年4月

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