白石淳一会長の開会あいさつ
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関連/安倍暴走・アベノミクス農政ストップ /白石淳一会長の開会あいさつ(大要) |
大会参加の皆さん、前大会からの激動する情勢のもと、日本の農業・食糧、そして農山村を守るため、TPP阻止のたたかいをはじめ、農民の要求を基礎に、広範な共同の運動を巻き起こし、その核となって地域のなかで奮闘されたことに心から敬意を表します。
この2年間、自然災害が猛威をふるい、農業に大きな被害を与えています。一昨年は北関東や東北地方に台風で大規模な水害が発生。昨年は熊本地震、北海道や岩手での豪雨被害などが続きました。
被災された皆さんに心からお見舞い申し上げるとともに、農民連としても復旧・復興のための支援に全力をあげ、あわせて関係機関にも万全な対策を求めてきました。
さて、安倍政権は昨年の臨時国会で強引な国会運営を繰り返し、TPP承認案・関連法案の採決を強行しました。自ら掲げた選挙公約も国会決議も乱暴に踏みにじったもので断じて許せません。私たちは自民・公明与党と補完勢力の議員が地元で声高にTPP反対を叫んでいたことをしっかり記憶しています。
これほどの変節と裏切りは必ず国民の厳しい審判を受けるということを肝に銘ずるべきです。
TPPは異常な秘密主義にもかかわらず、国会審議を通じて国民の利益をグローバル企業に明け渡す危険性が一層明白になりました。農業の問題でも国会決議が求めた除外規定が存在せず、重要5品目についても「無傷のものは何もない」ことや「例外を勝ち取った」とするものも7年後には関税撤廃にむけての再協議が義務づけられており、日本農業を丸裸にするものです。食の安全や医薬品やISDS(投資家対国家紛争解決)などTPPの国民生活への広範囲な危険性も浮き彫りになっています。
しかも、次期米大統領がTPPからの脱退を明言しており、TPPの発効は全く見通せない状況です。それにもかかわらず「米国を説得するために」TPPを強行した安倍首相の姿勢は異様です。
また、トランプ氏は日米FTA(自由貿易協定)を要求し、安倍政権はTPPの破綻を取り繕うため日EU・EPA(経済連携協定)を進めようとしていますが、TPPの水準が今後の貿易交渉のベースにされる危険があり、さらなる暴走を許さない取り組みが重要です。農民連はそのために全力をあげます。
安倍政権は、TPPの国内対策を名目にアベノミクス農業改革の一環として農協解体を強引に進めようとしています。そのねらいは、信用・共済事業の400兆円の農協マネーをはじめ全農の共同購入や共同販売をやめさせその利益をグローバル企業のもうけのために差しださせようとするものです。
農協はそもそも農家組合員の相互扶助を目的に作られた協同組合であり、農家組合員が主人公である紛れもない民間の組織です。農協組織への不当な干渉はただちにやめるべきです。
農協は、農家組合員の営農や生活になくてはならない役割を果たすと同時に、地域のコミュニティーを支える上でも大事な役割を果たしています。農民連は地域を基礎に農協解体攻撃を許さないために全力をあげたいと思います。
今日の農業の困難の原因は、歴代自民党政権の輸入自由化拡大と自国の農産物を守る価格保障制度を次々と投げ捨て市場原理にゆだねてきたことにあります。安倍政権は、こうした農業つぶしの自民党政治を引き継ぐだけにとどまらず、財界の求めに応じて家族農業を攻め滅ぼし、企業経営にゆだねるなど、日本の農業を根こそぎ大企業のもうけのために差しだそうとしています。
農民連の行動綱領は日本の食糧・農業に関して「異常な事態がこのままつづけば、単に農民の経営と生活上の問題にとどまらず、民族の自立と主権にかかわる食糧の安全・安定的な供給を危うくし、わが国の将来に重大な禍根を残すことは必至」と指摘していますが、今まさにそうした事態が進行しているのです。
安倍政権は農業・食料分野だけにとどまらず、平和や立憲主義、原発、沖縄などあらゆる分野で暴走をつづけています。しかし、世界はグローバル化一辺倒ではありません、一部の者が富を独占することを許さない動きが力を増しています。TPPを破綻に追い込んでいるのも紛れもなく世界の民衆の力です。
日本でも、先の参議院選挙で示された野党と市民の共闘は、暴走する安倍政治に終止符を打つ確かな力として国民に展望を与えています。
私たちには6年あまりにわたるTPPを許さないできた共同の運動の広がりがあり、家族経営を基本にした食料主権に基づく農政転換への展望があります。
安倍政権を打倒し新しい政治、新しい農政を実現するために全力をあげようではありませんか。このことを申し上げ、開会にあたってのあいさつとします。
[2017年1月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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