「農民」記事データベース20160829-1227-07

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“私たちは犠牲者のままでは終わらない”

いまだ原発事故に苦しむ福島

被災地視察コース

 被災地コースでは、いまなお原発事故に苦しむ福島の地を視察しました。福島県農民連の根本敬会長が案内しました。

土をはがした除染の田畑
原子炉に近づけることさえ

 根本会長は、事故を起こした福島第一原発について、「いまだに収束の見通しさえたっていない。原子炉に人間は近づくことさえできない」と現状を語りました。

 バスの中から見えるのは、あちらこちらの田畑から土をはがした除染の爪跡。除染済みの土を詰めたトンバッグが山のように飯館村に入ると積まれています。時折、試験栽培用に作付けした農作物も目につきます。

 最初に立ち寄ったのは、飯館村役場。役場の職員が応対し、原発事故以降、家族も他県に避難し、若者が戻ってこない現状を語りました。同時に、復興に向けた力強い決意も語られました。

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レ館村役場の前で職員(右から2人目)から説明を受ける参加者

 その後、参加者は、浜通り地域に移動し、浜通り農民連と浜通り農産物供給センターが立ち上げた直売所「野馬土」(相馬市)を見学。供給センター代表理事の三浦広志さんから、独自に配備した放射能測定器や南相馬市小高区に6基設置し稼働を始めた太陽光パネルについての説明がありました。

 また、原発事故以降、「作付けできる人は作付けしよう」「いま作付けできない人は再開に向けて準備しよう」を目標に取り組んできたこと、会員が自宅や納屋の屋根、未活用農地に太陽光パネルを設置するなど、再生可能エネルギー事業の可能性についても語りました。

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米の全袋検査のための放射能検査機器の説明をする三浦さん(右)

 参加者は、「野馬土」で浜通りの生産者が丹精込めてつくった農産物や加工品をお土産として購入していました。

 最後に、福島駅に向かうバスのなかで、根本会長は「私たちは『犠牲者では終わらない』。次世代への責任を果たすまでたたかい続けます」と結びの言葉を述べました。

(新聞「農民」2016.8.29付)
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2016年8月

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