「農民」記事データベース20150504-1164-07

原発も温暖化もない未来つくろう
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気候変動を止めるのは今だ!

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温暖化の影響は農業にも
亜熱帯果樹の適地広がる

 地球温暖化の日本への影響やその対策(適応)を研究する環境省の研究プロジェクトでは、水稲やかんきつ類など農業への影響を調べています。

 すでに現在でも高温障害によるコメの品質低下が問題になっていますが、これらの研究では、コメの収量は大きくは減少しないものの、今後の気温上昇によって、さらに品質低下が深刻化する可能性があると警告。また“田植えの時期をずらす”“高温障害に強い品種を植える”などの対策をとることで、多少は品質低下の割合を抑えられる、と予測しています。

 深刻なのは、コメの生産地の分布が北上することで、収量が増える地域と減る地域の偏りがきわめて大きくなり、栽培適地と不適地の二極化が進むのではないかと予測していることです。

 かんきつ類についても予測は深刻で、温州ミカンでは、2031〜2050年には九州の一部が不適地となってしまうなど、栽培適地が7〜8割に減り、さらにこのままのペースで温暖化すれば、今世紀末には日本での温州ミカンの栽培適地はゼロになると予測。

 一方、現在は沖縄などでしかつくれない亜熱帯果樹のタンカンの栽培適地は、2040年ころには関東南部以西の太平洋岸側にまで広がり、このころには関西や首都圏の一部も亜熱帯化し、亜熱帯果樹が栽培できるようになるといいます。

 政府は、今年の夏をめどに温暖化の悪影響への「適応計画」を策定する予定としており、農業はその重点分野の一つとなっています。すでに温暖化が進行している以上、「適応」策は必要です。しかし、温暖化の悪影響から農業を守るうえで、もっとも大切なのは、少しでも「温暖化を止める」ことであるのは、言うまでもありません。

(新聞「農民」2015.5.4付)
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2015年5月

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