生産拡大で「農政改革」に反撃を農民連ふるさとネット第11回総会農民連ふるさとネットワークが7月24日、東京・ラパスホールで第11回総会を開催し、全国の加盟組織から約90人が参加。4つの議案を、全員一致で採択しました。
地域の農業守る産直運動大きくいまこそ力を発揮するときふるさとネットの堂前貢代表の開会あいさつに続いて、農民連から白石淳一会長があいさつ。白石会長は、「農業改革」について、「『世界でもっとも企業活動の自由な国づくり』の一環であり、戦後農政の総決算だ」と述べるとともに、農協改革についても「農協の組織問題にとどまらない。戦後日本を下支えしてきた家族農業と協同組合への攻撃そのものだ。地域から農業を守る取り組みがいっそう重要になっており、消費者や流通と連携する農民連ふるさとネットの役割は、ますます大きくなっている」と話しました。
来賓として日本共産党参院議員の吉良よし子さんと、新日本婦人の会事務局長の米山淳子さんがあいさつしました。米山さんは、新婦人のなかで産直運動を推進するための全国会議を開いたことを報告し、「産直運動の歴史を振り返ることで、あらためて安全・安心なものが食べたい、産直運動を守っていきたいという意欲につながった※1。産直運動をさらに大きく発展させよう」と呼びかけました。
“もう一つの流れ”さらに太くふるさとネット事務局次長の横山昭三さんが、議案を提案。「農政改革」が米価下落をさらに増幅させており、準産直米の取り組みにも少なくない影響を与えているなかで、三重農民連が新たに準産直米に参加したほか、いくつかの県が数量を伸ばし、加工用米や備蓄米の取り組みが広がるなど貴重な前進があったことを報告しました。また「農政改革」の攻撃のもとで、農協や集落営農組織などとも販路での新たな共同が生まれる可能性を指摘し、「多様な農産物をふるさとネットに結集して、大手とは違う“もう一つの流れ”を太く大きなものにしよう」と提案しました。
ハウス倒壊でもやめる会員なく討論では19人が発言。若い参加者からの元気な発言や、各地の多彩な取り組みに、会場はおおいに湧きました。埼玉産直センターの山口一郎さんは、今年2月に襲った豪雪被害と再建について報告。「センターの生産者のハウスの総面積36町歩のうち、24町歩が倒壊する大被害を受けた。しかし全国の農民連の支援に励まされ“もうやめる”という会員は一人もいなかったのがうれしい」と述べました。 三重農民連の峯岡繁さんは、昨年初めて準産直米に出荷した経験を発言。「産直運動をなんとか前進させ、地域の生産者を守りたいと、5ヘクタール以上の比較的大きな農家に準産直への出荷を呼びかけた。米袋も特注し、仲間づくりを進めていきたい」と話しました。 県内の酒造会社への加工用米の取り組みを報告したのは、新潟産直センターの竹内喜代嗣さん。竹内さんは、昨年は価格も農協の仮渡金を超えたことを紹介しながら、「安い日本酒はアメリカ産米を使っているが、国産米にこだわって造っている酒蔵がまだ残っている。農民連の思いのこもった米を提供して、日本の酒は日本の米で造ってもらいたい。これからも、もっと広く生産者を集めたい」と語りました。
若い参加者の発言に大湧き青年の発言も光りました。「毎日が楽しくてしょうがない」と切り出したのは、福岡・みのう農民組合から千葉県の多古町旬の味産直センターに研修に来て今年3年目という佐々木裕記さん。若い世代で生産者と消費者が顔を合わせる機会をつくりたいと、県内の青年団体などに交流イベントを呼びかけたところ、40人を超える参加があり、生産者からも消費者からも「すごく楽しかった」「次回もすぐやってほしい」と言われるほど盛り上がったことを紹介。「農家はコミュニケーションが苦手な人も多いが、物づくりには自信を持っていて、このイベントではみんなが輝いていた。これからも農家と消費者の架け橋になるような活動を続けていきたい」と発言し、会場はひときわ大きな拍手で包まれました。福島県北産直センターの阿部哲也さんは、原発事故から4年目の今年、大阪新婦人との果物産直が全面復活したことを報告。「新婦人産直は、やはり産直運動の生みの母であり、歴史がある。今あらためて新婦人の会員さん一人一人の思いや要求に耳を傾け、新婦人産直の大切さをとらえ直すことが求められているのでは」と投げかけました。
※訂正 8月11日号にて、以下の訂正がありました。 (新聞「農民」2014.8.4付)
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[2014年8月]
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