TPP国際フォーラム
アメリカと多国籍企業のルール
参加国に押しつける
18、19両日には、韓国国会内でTPP国際フォーラムが行われ、ビア・カンペシーナの参加者のほか、その連帯組織や市民・労働団体、国会議員、学者、弁護士などが一堂に会しました。
韓国国会通商特別委員会のキム・ソンゴン委員長が「TPP関連の公聴会を予定しており、時宜を得たものです」とあいさつしました。
TPPの現状と問題点、韓国がTPPに加盟する際の危険性について、2人の専門家が報告。ニュージーランド・オークンド大学のジェーン・ケルシー教授は、TPPがアメリカ主導で行われ、アメリカとグローバル企業のルールを参加国に押しつけ、遅れて加入する韓国は「交渉の内容をそのまま受け入れなければならない」と述べました。
アメリカの市民団体パブリック・シチズンのロリ・ワラックさんは、TPP交渉の合意後に加盟が許される韓国が、韓米FTAよりも高い犠牲を払わなければならず、農協、生協、郵便の諸制度などアメリカの利益に反する貿易規制は撤廃を余儀なくされる点を指摘しました。
韓国TPP・FTA対応汎国民対策委員会のジュ・ジェジュン政策委員長は、米韓FTA発動後、韓・EUFTAなどが締結され、農業分野では牛・豚肉は80%以上、オレンジは100%以上輸入が増加し、果樹農家が野菜農家に切り替わっている現状を告発。ニンニク、玉ねぎが暴落し、年収1000万ウォン(約100万円)以下の農家が増える※1など、貧困化も進んでいる実態も示しました。
日本からは、真嶋副会長が「TPPの日本農業への影響」について報告したほか、全国食健連の坂口事務局長が日本のTPP反対運動について発言しました。日本では、ほとんどの都道府県に運動組織があり、各地で共同を広げながら運動を展開していることを紹介しました。中央でも、専門家の力を結集する観点から大学教員や弁護士のネットワーク、消費者団体とも手を携えて運動を進める決意を示しました。
|
TPP国際フォーラムで報告する真嶋副会長=韓国国会 |
最後に、(1)ウェブサイトなどを活用した情報交換、(2)戦略的な討論の場の必要性、(3)国際的な共同行動の日の設定――などが提起され、さらに国際的な連帯を深めていくことで一致しました。
※【訂正】 5月19日号にて、以下の訂正がありました。
5月5・12日合併号の3面「TPP反対・各国での運動広げ国際連帯の強化を」の記事で、韓国TPP・FTA対応汎国民対策委員会のジュ・ジェジュン政策委員長の発言「年収1000万円以下の農家が増える」の部分を「年収1000万ウォン(約100万円)以下の農家が増える」※1に訂正します。
2014年5月26日、訂正しました。
(新聞「農民」2014.5.5付)
|