12・8TPP大行動冬空に響き渡る“TPPノー”トラクター先頭に銀座デモ
晴天の冬空に「TPPからの撤退を!」の声が響き渡り、TPP年内妥結を阻止する大きな力になりました。東京・日比谷野外音楽堂で12月8日、「これでいいのか?! TPP大行動」が開かれ、全国から2700人が集まりました。主催は、同大行動実行委員会。
撤退へ世論の底力みせつけよう連帯の輪広げ粘り強い運動こそ日本が誤った道を進まぬようはじめに、呼びかけ団体の一つ、主婦連合会の山根香織会長が開会のあいさつ。「安倍内閣の暴走を抑え込み、憤りを総結集して、連携の輪をさらに広げよう。日本が誤った道に進まないよう、安全・安心な社会の実現に向けて力強く行動しよう」と呼びかけました。JA全中の馬場利彦参事※1が「広範な国民各層との連携を深め、日本の食と暮らしを守り、次代につなげていくために徹底した運動に全力をあげる」と来賓のあいさつをしました。 日本医師会がメッセージを寄せたほか、マレーシアのマハティール元首相から「TPPとすべてのFTA(自由貿易協定)は必要ない」とのメッセージが紹介されました。 会期末を迎えた国会から国会議員もかけつけました、TPPを慎重に考える会の篠原孝衆院議員(民主党)のメッセージを大河原雅子前参院議員が読み上げ、日本共産党の紙智子参院議員、生活の党の鈴木克昌幹事長(衆院議員)があいさつしました。社民党もメッセージを寄せました。 岡山県農民連の坪井貞夫さんが怒りのカンパを呼びかけ、会場から約50万円が集まりました。
地域づくりやるためにも反対各界・各分野のリレートークが行われ、宮城県復興センターの鈴木弥弘・宮城農民連事務局長が「TPPは復興にとって百害あって一利なし」と訴え、長野県中川村の曽我逸郎村長は、日本のふるさとを代表して「各地域で地域づくりをしっかりやっていくことがTPPに反対し、日本の主権を取り戻すことだ」と述べました。医療の現場から日本医労連の山田真巳子委員長が、郵政の分野から郵政産業ユニオンの須藤和広書記長が、TPPに参加することへの弊害と反対の決意を語りました。 神奈川消費者団体連絡会の丸山善弘事務局長は、食糧主権への共感とその確立を求め、TPPに反対する弁護士ネットワークの伊澤正之共同代表が主権侵害、秘密主義、不平等条約のTPPを批判しました。 ドラム隊の演奏に合わせて、参加者が「地域を壊すTPPはいらない」「暮らしを守ろう」とコールを響かせました。 最後に、TPPからの撤退を求めるアピールが読み上げられ、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会の醍醐聰・東大名誉教授が「いま世論の底力を見せつけるとき。粘り強く運動を進めよう」と閉会のあいさつをしました。 参加者は、千葉県農民連と埼玉県農民連が用意したトラクター2台と軽トラック2台を先頭に、銀座をデモ行進しました。
参加者の思いはビラを見て参加した今回の集会にはさまざまな人が各地から集まりました。一人で集会に参加した京都の私立大学生、松尾湧さん(19)。前日、たまたま東京に来ていたときに集会のビラを受け取り参加しました。「安い遺伝子組み換え食品が入ってくれば、農家も大変になるし、健康も心配。地元でも友人と一緒に集会などに参加しています」と話していました。
9条の旗を掲げて九条を守る神奈川高校教職員の会の旗を掲げて参加していたのは、高校の社会科教員、早川芳夫さん(61)。「自ら行わずに子どもたちに教えられない」と、一反歩の農地を25年間耕作し、自らを「菜園ティスト」と称しています。「自家採種を行い肥料も手作りです」と早川さん。「TPPでアメリカの基準を押し付けられれば、有機農業がダメになり、種も支配される。安全なものを子どもたちに食べさせることができなくなくなるので絶対に反対です」
二度と裏切りするな全国肉牛事業協同組合からは13人が参加。今野英平さん(39)は「さまざまな規模の畜産農家がいてこその日本の畜産業であり、TPPでは確実に影響を受ける。組合員を守る立場からTPPには反対です」。今野さんたちは3日に行われたJA主催の集会にも参加し、「自民党は、米自由化のときのような裏切りは二度としてほしくない」と悲痛な声を上げていました。
私自身の生活の問題千葉県の房総食料センター職員、鵜澤政人さん(38)は「6歳と4歳の子どもがいて、食品の規制が緩和されたら、子どもにも悪影響が出るのではと心配です。外国産の農産物が激増したら、『高くても国産を』という世論も難しくなります。農産物価格は私自身の生活とも直結する問題です。なんとしてもTPPを阻止したい」と力を込めました。
※【訂正】 1月6・13日号にて、以下の訂正がありました。 (新聞「農民」2013.12.23付)
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[2013年12月]
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