来年度の政府予算策定に向け
国民大運動実行委 農水省に要請
関連/「応能負担」による公平な税制確立を
TPP交渉参加断念を
「米政策」の見直し
全面賠償へ東電を指導
農民連も参加する「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は7月3日、来年度の政府予算案の策定にあたって、TPP交渉参加を断念することや、「米政策」の見直し、全面的ですみやかな賠償に向けた東京電力への指導、アメリカ産牛肉の輸入制限緩和はしないことなどを農水省に要請しました。
TPP問題では、アメリカとの事前協議(自動車・保険・牛肉)が野田首相のいう“情報の収集と国民的な議論”を逸脱し、「すでにTPP参加に向けた交渉を行っているのではないか」などと追及。農水省の担当者は「そう取られてもしかたがないような疑念、懸念が残る」「各省庁間で十分な信頼関係にいたっていない」などと答弁しました。
また、「高度な経済連携協定をめざす」という野田内閣の基本方針との関係で、日豪FTAの交渉の進め方に変更があるのかどうか、追及したところ、「いぜんと認識は変わっていない」などと答えました。
不公平税制をただす会がシンポ
「不公正税制をただす会」の総会とシンポジウム(応能負担原則に基づく税制改革提案―不公平税制是正により財源は出る―)が6月21日、都内で開かれました。
シンポジウムでは6人が報告。このうち、立正大学客員教授の浦野広明氏は、「大企業の法人税率は1984年の43・3%から、2011年には26・5%まで引き下げられ、そのうえ数多くの優遇制度によって実際の税負担は大幅に下回っている。応能負担の原則から法人税を5%から40%の6段階程度に累進税率にすべきだ」と述べました。
また、税理士の菅隆徳氏は大企業の内部留保266兆円をどのようにためこんだのかを解明。「資本金100億円以上の連結納税法人の法人税負担は、2010年度で9・3%。減税適用企業は890社で減税額は5363億円にのぼる。このため込んだ財産に対してはなんら課税されない。個人の財産には相続税をかけるのだから、大企業優遇税制でため込んだ内部留保にも課税をすべきだ」と強調しました。
他の報告者も、消費税増税に頼らず、憲法の原則に基づく公平な税制を確立するための提案を行いました。
訂正 前号1面の記事「岩手県漁民組合蔵徳平委員長」の名前の読み方は、「くらとくへい」の誤りでした。訂正しておわびします。
(新聞「農民」2012.7.16付)
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