「農民」記事データベース20110912-988-06

8・27緊急集会
来賓あいさつ

関連/復興をじゃまするTPPはいらない
  /8・27緊急集会 来賓あいさつ
  /集会参加者の声


自給率引き上げと両立できない

全国農協中央会(JA全中)の代表

 菅内閣が昨年10月に打ち出したTPP。これはわが国の農林水産業や関連産業をはじめ、地域の雇用と経済、社会の崩壊を招くものであります。改めて断固反対の立場を表明するものです。(よ〜し!)

 とくに食料自給率を50%まで引き上げるとしたわが国の「食料・農業・農村基本計画」とTPPを両立させることは、絶対に不可能であり、食料安全保障は確保できなくなります。TPPは、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた農林水産業、地域の雇用、経済社会をさらに痛めつけるものであり、即刻参加は断念すべきです。(そうだ!)

 多くの国民の声を無視して一部の関係者がTPP参加促進の動きを強めていることは、言語道断であり、先人が守り続けてきた美しい国、日本を海外に売り渡そうとしているとしかいいようがありません。

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来賓のあいさつに拍手と声援を送る参加者

 わが国は瑞穂(みずほ)の国です。国土のすみずみまで美しい農山漁村が展開され、領土が保全されています。そこに住む人々が伝統・文化、地域経済・社会を維持してきました。こうして形成された瑞穂の国、日本の伝統的な価値観、文化、そして風土が市場原理主義によって害されることは、将来の世代に対して、申し開きすることのできない禍根を残すことにつながります。

 JAグループは、わが国の集落や農地の実態に応じて、資源を最大限に活用する持続的な農業の展開を進めるとともに、地域のライフラインとしての役割発揮に全力をあげていきます。

 同時に、政府が交渉参加への断念に至るまで、TPP交渉への参加に反対する運動に全力をあげて取り組んでいきます。(大きな拍手)


アメリカの利益のための自由化

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘さん

画像 大震災の復旧・復興と絡んで、大規模区画の農地をつくり、それを全国レベルにすれば、TPPも怖くないという驚くべき議論が展開されています。たくさんのものを失っても、その地で自分たちの生活と経営を立て直そうと、必死で努力しているみなさんに、「どこかに行ってください。ここに特区をつくって、企業が入ってきて、大規模農業をやればいい」ということ自体、人としての心のなさを感じざるをえません。(そのとおり!)

 これほどの事態になって初めて大規模区画ができるなら、日本中が大災害に見舞われなければいけないということなのでしょうか。震災復旧だからTPPだと、火事場泥棒的に無謀な議論をしているのが悲しい現実だと思います。

 TPPは11月に向けて、実は水面下で進んでいます。突然、この秋になって参加を決めてしまったということになりかねません。TPPは今までの協定とは違い、まったく例外を認めないという徹底した自由化です。関税の例外ももちろんですが、日本社会としての独自のルールも認めないものです。特にアメリカの企業などが日本で利益を最大化できるようにすべての垣根を取り払うという徹底した自由化を求められることになります。

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東電本社前で“早く賠償しろ!”と声をあげる参加者

 われわれの体も原材料の60%はすでに海外に依存しているわけです。みなさんの体は、原産国表示ルールでいえば、すでに国産ではないわけです。「こんな体にだれがしたのか」という開放度のなかで、さらに開国というのはどういうことでしょうか。(笑いと拍手)

 そして、TPP反対ということと同時に、対案を出していくということも重要だと思います。ぜひそれぞれの立場から覚悟を決めて、この問題が正常化するまで一緒にがんばりましょう。(大きな拍手)


相手があきらめるまでたたかう

日本共産党委員長 志位 和夫さん

画像 国民のTPP参加阻止のたたかいは、推進勢力を追い詰めてきました。JA全中が取り組んだ反対署名は1120万筆に達しています。そうした力が政府のシナリオを狂わせていることに、まず確信を持って前進しようではありませんか。(そうだ!)

 しかし、推進勢力の執念は根深く、たたかいはこれからが正念場です。日本経団連は「大震災を乗り越えるためにもTPPに早く参加を」と号令をかけていますが、まさに火事場泥棒とはこのことだと言いたい。(拍手)

 なぜ、反対するのか。

 第一に、農林水産業に壊滅的な打撃を与え、大震災からの復興に大きな障害をもたらすからです。

 第二に、農林水産業だけでなく、食の安全や医療、雇用など国民生活のあらゆる分野にその被害がおよぶからです。

 第三に、日本経済に大被害をもたらすからです。日本としてやるべきことは、輸出だのみの経済から国民生活優先・内需主導の政治に切り替え、投機マネーを規制することですが、TPP参加はまったく逆の方向に日本経済を導くものです。

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“原発なくしましょう”と訴える新婦人のみなさん

 みなさん、国民のたたかいの力にお互い確信を持って、相手があきらめるまで力をあわせてがんばりぬこうではありませんか。「食糧主権」にたった貿易ルールを確立しようではありませんか。みなさんとともに、最後までたたかいぬく決意です。(大きな拍手)

(新聞「農民」2011.9.12付)
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2011年9月

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