「農民」記事データベース20100913-940-02

米屋さんと生産者をつなぐ交流会
大阪会場

価格競争はもう限界!
国は主食の米に責任をもて

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“消費者に国産米守る署名を”の声

 29日に大阪市内のホテルで開かれた交流会には、米屋さんや生産者など、110人余りが参加しました。

 6500円持ち出しで米作れと

画像 農民連を代表して村尻勝信副会長があいさつ。米価下落に触れ「22年産の生産者価格が1万円に下落する流れが広がり、このままでは米づくりを続けられなくなる」として、政府・農水省を厳しく批判し、対策を要求。「お互いに経営の守れる米価と新たな流通に協力関係を強めよう」と呼びかけました。

 米卸・津田物産の古林剛海さん、奈良第一食糧の小泉茂さん、米安米穀店の蔵井謙一さん、全農林大阪府協議会の湯川喜郎さんがあいさつ。各氏は共通して米価下落の深刻な事態に言及し、国民の主食に国が責任を持つべきことや、事態を打開するためにも米屋さんと生産者の協力関係の大事さが強調されました。

 また、事前に米屋さんから寄せられた「所得補償で現場はどうなのか」との質問に答えて、農民連ふるさとネットワークの横山昭三さんは「米1俵作るのに1万6500円かかる。生産者米価1万円は6500円持ち出しで米を作れということ。戸別所得補償は下落分も含めて約3000円の補てんがあるが、とうてい生産費には届かない。規模拡大した農家が田んぼを返す動きも広がっている」「『農家より米屋が先につぶれる』との声もある」「消費者も一時の安値に喜んではいられない。国産米が不足すれば穴埋めは輸入米だ」として、「生産者、業者、消費者が協力して『国は米の需給と価格の安定に責任を持て』の声を大きく広げよう」と呼びかけました。

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「生育はいつもより1週間ほど早い」と稲穂を持参して説明する北陸ネットのみなさん

 徳島・島根・山口の生産者初参加

 各産地からは「高温続きで収穫が早まっているが、品質への影響が懸念される。収量も民間の調査会社が発表した『作況102』を少し下回るのではないか」などと生産現場から作柄や取り組みを紹介。滋賀県は映像を使って、稲の生育状況や検査の方法などを詳しく説明し、関心を呼びました。

 今回はじめて徳島、島根、山口の各県の生産者が参加。それぞれ、「お互いに真剣な交流ですばらしい」「準産直米の取り組みを大いに強めたい」と意欲をみせていました。

 丸米米穀店・田中政次さんは「米価が下がり、米屋も本当に困っています。価格競争はもう限界です。農家が米を作るのをやめ、国産米が不足すれば輸入米が穴埋めしかねません。そうなれば、一番困るのは消費者です。国産の米を守る署名なら、お客さんも協力してくれます。おおいに取り組みたいと思います」と話していました。

(新聞「農民」2010.9.13付)
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2010年9月

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