米価暴落―米屋さんも大きな打撃米屋さんと生産者をつなぐ交流会
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政府が備蓄米の買い入れを拒否し、米価の暴落が加速しているもとで、農民連ふるさとネットワークは東京(8月22日)と大阪(29日)で「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」を開きました。このうち東京会場(文京区民センター)では、生産者、米屋さん、卸業者ら約160人が集いました。(大阪会場は2面に)
また山田農相が「戸別所得補償モデル事業には約132万戸の農家が加入したので、需給は締まる。過剰米対策はとらない」と述べていることを批判。「このままでは米作りを続ける農家がいなくなる。40万トン規模の備蓄米の買い入れをさせる必要がある。きょうの交流会を日本の農業を守り、発展させる機会にしよう」と訴えました。
主催者あいさつする堂前代表 |
あいさつに立った日本米穀小売商業組合連合会の長谷部喜通理事長は「小売業者と生産者が手を組んで、真剣に考える時代だ。量販店の価格に追随していたのではやっていけない」と指摘。大手流通に対抗し、作る人の顔が見える米を米屋さんを通じて消費者に届ける「準産直米」について、「立ち上げた当初の原点に帰る必要がある」と述べ、「安全安心の米を提供するなど消費者との信頼関係を構築して、米価をある程度維持し、生産者にも還元できる取引のしくみや方法を農民連と一緒に考えていきたい」と述べました。
あいさつする日米連長谷部理事長 |
ブロックごとに代表が各産地の作柄や取り組みについて報告。あわせて「コシヒカリ1万円に現場は失望している。戸別所得補償といっても赤字が解消されるわけではない」「米の仮渡し金がコシヒカリで前年より2000円も下がった。子どもに後を継がせられない」などと訴えました。
参加した米屋さんから「1俵いくらなら作り続けられるのか」との質問が出され、生産者は「農機具や肥料代などの『物財費』が60キロ1万2500円で、労賃として1俵5000円は必要。1万7000円以上でないと後継者はできない」と答えました。
稲穂を囲んで、米屋さんとの対話がはずみます |
志村屋米穀店(神奈川県小田原市)の志村成則さんは「たくさんの農家と話しができる貴重な機会です。米屋も消費者の立場からの見方になりがちだけど、ここに来ると農家の立場からも考えることができます。今の米価では、農家の経営が続かないことがわかりました。農家の実情をわかりやすく消費者に伝えられるよう工夫していきたい」と話しました。
白山米店(東京都目黒区)の寿松木(すずき)衣映さんは「米を作っているのにご飯が食べられないとは驚きです。これでは農家を継ぐ人もなく、将来おいしいご飯が食べられるか不安です。こうした現状を消費者に伝え、生産者と消費者が手を取り合えば、困難に立ち向かっていけるという確信を深めました」と語っていました。
[2010年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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