農民連が全国研究交流集会開く
各地の経験を大いに学び
諸活動を前進させよう
4年ぶりとなる研究交流集会が8月3〜5日の3日間、連日の猛暑の中、東京都内で開かれ、北は北海道から南は沖縄まで、35都道府県から169人が参加しました。
開会あいさつに立った白石淳一会長は「私たちの運動は地域抜きには考えられない。地域からの運動は、自由化推進への重要な対抗軸になりうる」と述べ、「渡辺さんの講演や各地の経験をじっくり学習・交流して、来年1月の農民連第19回大会に向け、米価下落阻止、口蹄疫(こうていえき)被害救済、FTA(自由貿易協定)自由化阻止など、秋のたたかいと組織づくりを大きく飛躍させる集会にしよう」と呼びかけました。
「いま、地域農業と農民連の出番!その展望―集落・旧村をベースに農の再生と主体形成を―」と題して、渡辺信夫さん(立命館大学講師)が記念講演を行いました。
「たいへんよかった」「力をもらった」「示唆に富んでおり、有意義だった」など多くの感想が寄せられ、参加者に大きな感動と元気を与えました。(講演の内容は3面に掲載)
続いて、真嶋良孝副会長が菅内閣の「新成長戦略」や民主党の「対外経済外交基本方針」など豊富な資料をもとに、「参院選の結果と、EPA(経済連携協定)・FTA戦略をはじめとした農政とのたたかい」について報告。財界・アメリカと一体化を強め、全面的な自由化戦略の菅政権を厳しく批判し、APEC(アジア太平洋経済協力会議)をめぐる新潟・横浜を中心とした秋のたたかいを提案し、大きく成功させようと呼びかけました。
来賓として、日本共産党の紙智子参院議員があいさつしました。
たたかいと結んだ会員・読者拡大
大会へ向け大きな飛躍を
各地からの活動では、茨城・県南農民組合の小林恭子さんが「移動直売所で広がる団地の買い物難民とのふれあい」について、奈良・北和センターの森口いち代さんが「農家の要求にもとづく1年を通じた仲間づくり」について報告しました。また、ふるさとネットワークの横山昭三さんが「米価下落対策と準産直米の取り組み」について特別報告し、本部の村尻勝信さんが組織建設について「来年1月の大会の成功は、会員と読者拡大にかかっている。新たに会員を500人迎え、読者1000部を増やそう」と提案しました。
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茨城県連・常陸野産直センターの安本誠さん(右)から宮崎県連の有田辰二さんへ口蹄疫被害に義援金が渡されました |
また2日目には、第1分散会が生産・加工・直売、地域・担い手、米産直をテーマに、第2分散会が税金・国保、農地・固定資産税、免税軽油、鳥獣被害をテーマに、各地からの報告をもとに活発に討論しました。
最後に、笹渡義夫事務局長は「参院選後の新しい情勢のもとで、農民連の役割がいよいよ重要になっている。渡辺さんも講演で、“農民連の前進が農業再生のカギだ”と言ってくれた。ただちに、米価下落阻止、口蹄疫被害救済、FTA自由化阻止の3つのたたかいに取り組み、来年の大会の成功に向け、たたかいと結んだ組織づくりを前進させよう」と訴えました。
奈良のすごい活動に一歩でも近づきたい
千葉・松原清子さん
奈良県連のような、いきいきした活動はすばらしい。少しでも一歩でも近づきたい。どうすれば役員をはじめ組合員がやる気になって行動していけるようになるのでしょうか。見習いたいと思いました。
初参加、ネットワーク形成すばらしい
岡山・小川博巳さん
初めて参加しました。産直に取り組んでいますが、全国のみなさんとネットワークを形成していければ、すばらしいと思いました。また、みなさんがよく学習されていると感心しました。
まず組合員の声を改めて聞くことから
茨城・安本誠さん
全国のみなさんが、地域で努力されていることを聞き、気恥ずかしい思いです。奈良県連の「なんでも相談のしおり」は参考になりました。まずは組合員の声を聞くことから、あらためてスタートしたい。
産直活動の中から新規就農者迎えたい
埼玉・藤野泰弘さん
第2分散会に参加し、非常に参考になりました。特に、田中豊さん(大阪)の農地の相続税をめぐる報告を聞き、理論的に学ぶ方向がはっきり見えてきました。産直の中で新規就農者を農民連に迎えられるよう、さらにがんばりたい。
(新聞「農民」2010.8.23付)
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