ものづくりも仲間づくりも
若人の出番だ(2/2)
山形おきたま産直センター青年部
農業は自然が相手
試行錯誤が面白い
倉田 健三さん(28)
米(12ヘクタール)、果樹
就農してもう10年くらい。親の代から有機や減農薬の稲作、平飼い養鶏、冬場の菌床しいたけなどやっています。農作業は僕と両親でやっていて、妻は1歳と3歳の子育てに追われています。
農業は、自分のやりようで自由にできる、その自由さがいいと思います。農薬や化学肥料が使えない有機農業は、作業が増えてたいへんですが、好きなことだからイヤではないです。農業は1年に1回しかできないのに、天候に左右されるし、温暖化の影響もあります。勉強して、地道に積み重ねていくしかないのですが、自分のやったことで良い結果が出ると、うれしいです。今年は田んぼの除草に手がまわらなかったので、今から来年こそはと意気込んでいます。
ここ2〜3年、輸入飼料が高騰したのと、減反に飼料米が認められたのとで、安全性とコストを考え、平飼いの養鶏に自家産の飼料米を与えています。稲作も、味や安全性だけでなく収量もある程度確保して収入を得ていかねばなりません。こうした経営面でもしっかりと安定させていきたいと思っています。
産直センターの青年部長をしていますが、青年部は農業の志を同じくする人が集まっていて、勉強になります。最近は産直センターの生産者の子弟という枠を越えて、僕らの同年代のつながりで、一進一退しながらジワジワと部員を増やしてきました。これからも、もっと面白いことをやっていきます。
志が同じ人が集まる
青年部は勉強になる
新関 拓也さん(31)
米(6ヘクタール)、養鶏、菌床しいたけ
就農して4年目。父の病気がきっかけで、会社勤めから実家に戻って就農しました。農業を仕事とすることに迷いはありませんでした。両親も自分が生活できない仕事を継いでくれとは言わないだろうと思ったし、僕、わりと柔軟に対応できる方ですし。(笑い)
農業はよく3K(苦しい、汚い、危険)といわれるけど、やってみて、僕はつらいとも汚いとも思わないです。成功を目指して試行錯誤していくのが楽しいです。
それと自然が相手であること。刈った草がぐんぐん起き上がってくるところとか、青い空に流れる雲だとか、そういうのを見ていると、心から「自然ていいな」と思います。
思ったよりたいへんなのは、有機栽培が意外と成功しないこと。とくに資材を投入しないで作るのが難しいです。
害虫だけに目を向けずに、益虫もいる、ただの虫もいる、鳥も動物もいる、そういう豊かな生態系ができている田んぼは有機栽培もうまくいくということで、生物多様性に配慮した農業を目指していますが、なかなかうまくいきません。今年からアイガモ農法も始めました。有機農業は体力的にたいへんで、収入は見合わないのですが、工夫のしどころも多くて、面白いです。青年部のみんなで話し合いながら、少しずつでも増やしていこうと取り組んでいます。
(新聞「農民」2010.8.16付)
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