生物多様性守るため
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関連/生物多様性守るため 食の大切さ・農への理解 大いに語ろう(1/2) /生物多様性守るため 食の大切さ・農への理解 大いに語ろう(2/2) |
「中部の会」は昨年12月、津市の国道沿いの空き地で、ブロッコリーに似た葉をもつ高さ1メートルほどの植物1株を発見。はじめに簡易検査を実施したところ、グリホサート耐性の遺伝子組み換え(GM)であるという結果がでました。
次に農民連食品分析センターで、PCR法を実施したところ、同様の結果がでました。
また、「中部の会」は今年6月、鈴鹿市周辺の国道沿いで、GMナタネとアブラナ科の雑草が交雑したとみられる植物を発見しました。
自生するアブラナ科の遺伝子組み換え雑草=三重県鈴鹿市(遺伝子組み換え食品を考える中部の会提供) |
簡易試験を行ったもののうち、グリホサート耐性を示すもの1個体、グルホシネート耐性を示すもの1個体、さらに両方の除草剤に耐性をもつもの1個体、遺伝子組み換えが検出されなかったもの1個体が分析センターに送られてきました。
分析センターがPCR法で調べると、簡易試験で両耐性という結果がでた個体がグリホサート耐性だった以外は、簡易試験と同じ結果でした。送られた4個体のうち3個体はまちがいなくGM植物でした。
遺伝子組み換え生物による汚染、人為的な開発による環境・自然破壊など生物多様性の危機が迫るなか、これを保全しようという取り組みが各地で始まっています。
山形おきたま産直センターでは毎年、南陽市の田んぼに消費者ら数十人を招き、「田んぼの生きもの調査」を行っています。参加者は、田んぼに入り、ドジョウ、カエル、ヤゴなどを網ですくい取ります。田んぼやあぜにすむ生物を調べ、農業が多くの生きものに支えられながら成り立っていることを学んでいます。
子どもたちも一緒に「田んぼの生きもの調査」=2007年7月15日、山形県南陽市 |
同産直センターの渡沢寿さん(36)は「食糧生産だけでなく、景観の保持や環境保全などさまざまな役割を果たしている田んぼの役割を、消費者や農家にぜひ知ってほしい。COP10では、『田んぼの生きもの調査』を紹介することで、食の大切さ、農業への理解を深める機会になることを期待しています」と話しています。
COP10・MOP5では、参加する各団体・グループを取りまとめるネットワークがあります。「生物多様性条約市民ネットワーク」(CBD市民ネット、高山進・吉田正人両共同代表)は、環境・自然保護団体・グループなどで構成され、参加団体は各作業部会に所属し、提言をまとめます。
また、「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(MOP5市民ネット、天笠啓祐・河田昌東両共同代表)は、遺伝子組み換え作物の問題点を知らせ、安全・安心な食と農を応援します。
MOP5市民ネットは、CBD市民ネットのMOP5作業部会を兼ねています。
農民連はこのほど、CBD市民ネットとMOP5市民ネットに正式に入会しました。10月は、内外のNGO・団体との交流をはじめ、国際的な農民組織、ビア・カンペシーナの代表も来日し、フォーラムやデモなどに参加する予定です。
[2010年8月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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