「農民」記事データベース20100524-925-07

NPT会議

私たちの運動と署名が世界の政治を動かす

NY(ニューヨーク) 国際行動に参加して
農民連事務局次長 吉川 利明
(前号のつづき)


 5月3日には、リバーサイド教会でピースコンサートと公開シンポジウム「核兵器禁止・廃絶のプロセスをいかに踏み出すか―政府代表とNGOの対話」が開かれました。この教会は、キング牧師がベトナム反戦のスピーチを行い、ネルソン・マンデラ氏が釈放後、初の訪米の際にスピーチしたという有名な教会です。

 公開シンポジウムでは、日本原水協の高草木博事務局長が、私たちの運動と署名が世界の政治を動かしている歴史的な瞬間を実感をもって報告しました。

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吉川さん(右端)の出身地、静岡県浜松市の参加者と

 続いて、エジプト軍縮大使のヒシャム・バドルさんが「私たちは昨日、NPT再検討会議の最終合意文書に『核兵器廃絶条約の交渉の開始』を盛り込むよう求める声明を発表した。私はパレードを見にいった。みなさんの活動に勇気づけられた」と発言。アメリカ・NPTニューヨーク行動国際企画委員会代表のジョゼフ・ガーソンさんは、国際平和会議での潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の発言(注)を紹介し、核兵器廃絶を実現するために、核保有国に対し、核兵器禁止条約締結の交渉を求めることなど、「核兵器のない世界を必ずつくる」と決意を述べました。
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NPT議長と国連軍縮上級代表が警官の制止をふりきって積み上がった署名を見に来た


国連本部で原爆稲を紹介

 最後の行動日となった5月4日には、署名行動を行ったあと、原爆パネル展が行われている国連本部へ。ここでも「原爆稲」を紹介しながら、チラシを手渡してきました。

 夕方から「青年の集い」に参加し、兵庫の高校生や大阪、福岡の青年たちと交流しました。私が兵庫の高校生に、阪神・淡路大震災のときに米やミカン、野菜などを持って現地に駆けつけたことなどを話すと、「当時、まだ2歳だったが、あの震災をきっかけに野菜やお米を産直でとっている」と話してくれました。思わぬところで農民連の産直とかかわりのある人に会えたのも、うれしいことでした。

 8月の原水爆禁止世界大会には潘基文国連事務総長が参加し、被爆地から「ふたたび繰り返すな」と世界に呼びかけます。国民平和大行進と世界大会を成功させましょう。

(おわり)


(注)NPTニューヨーク行動国際企画委員会が主催した国際平和会議(5月1日)での、潘基文国連事務総長の発言(一部)から

 私は、みなさんがどれだけ犠牲を払って活動しているか、どれだけ勇気を持って人類の大志のために行動しつづけているかを知っています。核兵器廃絶は私の最優先の課題です。「核兵器のない世界」は達成できないゴールではありません。強い意志があれば達成できるのです。私は、核兵器禁止条約を核保有国に迫ります。政府を動かすには、みなさんの力が必要です。各国政府に迫りましょう。核兵器廃絶を達成したとき、世界はみなさんに感謝するでしょう。

(新聞「農民」2010.5.24付)
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2010年5月

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