in バングラデシュビア・カンペシーナ東南・東アジア地域
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各国の仲間たちと。日本から参加した杵塚歩さん(左)と、野田幸子さん(そのとなり) |
チャハティル島には、1992年に470の家族がやってきて、いま2000人が住んでいます。入植当時、政府は1家族に2エーカーの農地を約束しましたが、島の有力者は工場や精米所など商業的に使おうとしているために、警察や軍隊を雇って土地を持たない人たちを強制的に追い出そうとしています。女性も暴力を受け、骨折や傷が残るほどケガをしている人もいます。
朝、船の上で目がさめたら、すぐに地域女性会議が始まりました。ギャラリーは船の乗客です。“入っちゃダメ!” |
有力者の暴力以上に怖いのは、サイクロン(台風)です。島には日本の援助で建てられた防災センターが1つしかなく、2007年のサイクロンでは、多くの人が亡くなりました。ほかの島には、防災センターさえありません。
島の農民は米を生産していますが、すべて消費され、魚を売って現金収入を得ています。男の子どもたちは父親について農作業や漁業を学び、女の子どもたちは母親について家事、子育てを学ぶだけで、教育を受ける場がありません。農村の識字率は46%。そのうち女性の割合は10〜12%で、文字を読める人は極めて限られています。
女性たちは、どの島にも防災センターを設置してほしい。そこを教育の場としても活用して読み書きや計算ができる子を育てたいと願っています。
農民連の手ぬぐいをプレゼント。文字は読めないけど、ビア・カンペシーナの旗のマークを見て、“仲間だね”と心がつながりました |
また、女性への暴力撲滅に関する国際セミナーも開かれ、女性への暴力をやめさせるため、法律を作るよう要求し、女性の社会参画と生活の向上をめざしていくことを確認しました。
最後の反省会では、今後、ビア・カンペシーナの女性たちがどのように協力していくことができるかを話し合いました。女性の地位向上のためには、女性による活動はもちろんのこと、男性の意識向上や協力も不可欠であるという点で、全員が合意しました。今後、女性だけではなく男性も巻き込んだ取り組みが必要です。
現地の農民・女性たちと“あらゆる差別をなくせ!”“女性にも仕事を!”とデモ行進 |
バングラデシュ小農民女性会(BKS) イスラム教のもと男尊女卑の厳しい同国では、女性の声が無視されたり、女性が社会参加しにくい状況に置かれているため、1990年に首都ダッカで8000人が集会を開き、BKSを結成。そして、(1)食糧・医療・教育など基本的な権利を獲得する、(2)農村の人々にも融資が受けられるようにする、(3)ダウリー制度(注)をやめさせる運動をすすめる、(4)女性にも仕事を、など14項目の要求を掲げてたたかっています。会員は70万人。(注 ダウリー制度とは) 娘を嫁がせる父親から夫となる男性に支払われる多額の持参金や持参品をダウリーといいます。娘が3人いれば大金持ちのマハラジャでも破産すると言われるほどで、多額の借金を背負う人も少なくありません。ダウリーが支払えないため結婚できない女性や、結婚してもダウリーの額に不満がある夫家族によって妻が迫害されるなど、ダウリーのために多くの人々が苦しめられています。
[2009年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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