ルール通り備蓄米確保せよ米価急落 緊急対策求めて 中央行動量販店の安売り競争に歯止めを 農民連・食健連農民連と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は6月24日、米価急落への緊急対策を求めて中央行動を行い、全国から約70人が参加しました。農水省前で集会を行った後、農水省、厚労省と交渉しました。
農水省前集会 生産農家、怒り込め訴え集会では、農民連の白石淳一会長があいさつ。「政府はルールどおり備蓄米を買い上げるべきだ。大手量販店の買いたたき、安売り競争に歯止めをかけさせよう」と呼びかけました。つづいて各地の生産者が、「低米価で機械の修理もままならず、コンバインが壊れたら農業はやめる、という人もいる。『自給率50%』は米価引き上げなしには実現しない」(茨城県・山中光夫さん)、「肥料が高騰して、去年と同じ米価でも大幅な減収。備蓄米買い上げは全農家の要求だ」(宮城県・鈴木弥弘さん)、「低米価で農家が耕作をあきらめた農地に補助金を受けた企業が参入している。農家の経営を守るためにこそ財政支援を行うべきだ」(京都府・安田政教さん)と怒りを込めて訴えました。 集会後、参加者は「備蓄米買い上げ」などを要求して農水省と交渉しました。一部の参加者は、厚労省を訪れ、BSEに関わる基準緩和をやめるよう求めました(2面)。
農水省交渉 下落放置の姿勢を批判農水省との交渉では、深刻な米価下落対策を求めて緊急要請を行い、全国から60人以上が駆けつけました。経済の悪化で米消費が停滞し、市場に過剰感が広がり、日々米価が下落しています。しかし「08年産の需給は均衡している」として100万トン備蓄のルールを守らず、米価下落を放置する農水省に対し怒りが集中しました。 10キロ2980円、5キロ1500円…。農民連は、大手量販店での価格破壊の実態を示し、「米価暴落をどう認識しているのか」とただしました。「4、5月のデータから一気に下落しているとは考えていない」と他人事のような農水省の答弁に、業者間の玄米取引価格が60キロ当たり2000円以上も下落しているデータを示し、「09年産米の出荷が始まれば『ゆるんだ地盤に集中豪雨』だ。大暴落は必至ではないか」と問い詰め、「ルールに従い備蓄米が100万トンになるよう買い上げの即時実施を」と強く迫りました。 農水省は10万トン以上の買い入れ余地があることは認めながら、「今買い入れれば業者を利するだけで、農家にメリットは及ばない」などと見当違いの答弁。参加者から「われわれは09年産に影響することを問題にしている。米価暴落に苦しむ農家も業者も見殺しにするのか」「農家には生産調整を厳しく求めながら、農水省がルールを守らないとは何事か」などときびしく追及され、「買い入れしないということではない」「時期の問題」とし、即時実施の要求は農水大臣に伝えると約束しました。 また農民連は、大手量販店による安売り競争、買いたたきが米価下落の主因であることを指摘し、「生産コスト、仕入れコストを下回る買いたたきを規制せよ」と要求。農水省は価格の実態調査を約束しました。 さらに08年産の大豆の価格が暴落してJAなどの倉庫に積まれたままになっている問題でも「国が備蓄用に買い上げるべきだ」と要求しました。農水省は「備蓄は輸入大豆で2週間分程度、国産大豆は対象外」と回答。参加者は輸入中心の農政に怒り、「国産大豆の備蓄と価格の安定をはかれ」と強く要求しました。
(新聞「農民」2009.7.6付)
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[2009年7月]
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