酪農危機(1/2)/酪農危機(2/2)
乳価キロ10円引き上げ来年3月農民連・畜全協の運動みのる 乳業メーカー酪農団体と乳業メーカーとの間で行われる、牛乳の原料である生乳の価格(乳価)引き上げ交渉で、明治乳業、森永乳業、日本ミルクコミュニティの乳業大手3社は、1キログラム当たり10円を引き上げると回答し、生産者団体も受け入れる見通しです。ただし来年3月からの引き上げになります。農民連や畜産農民全国協議会(畜全協)など生産者団体が引き上げを求めて運動してきた成果です。乳価は今年4月、30年ぶりに3円引き上げられましたが、飼料価格の高騰などによる生産コストの急上昇のために、酪農家の経営危機は深刻さを増すばかり。生産者は、飼料の高騰に対する補てんと10円以上の乳価のアップを求めていました。 農水省の試算によれば、この2年間の配合飼料の値上がりだけで、生乳1キロ当たりの生産コストは9円上昇しており、3円のアップだけでは不十分です。飼料価格は右肩上がりを続け、2年間で約1・5倍に。ガソリンや軽油価格の高騰も経営を圧迫しています。 酪農家も、自らの努力や工夫で牛の健康管理やえさの改善などに取り組み、乳牛1頭当たりの乳量の増加を実現しています。また条件のあるところでは、飼料米など自給飼料に取り組み、えさの高騰に対応していますが、努力も限界です。
一方、海外では、需給ひっ迫による乳製品の国際価格の上昇もあって、生産者乳価が上昇しています。アメリカでは2年前の1・5倍の価格に。EUでも前年比1・4倍以上で推移しています。 いまこそ再生産可能な乳価の大幅な引き上げが求められています。総選挙は、畜産・酪農を守る農政への抜本的な転換のチャンスです。
(新聞「農民」2008.10.27付)
|
[2008年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2008, 農民運動全国連合会