「農民」記事データベース20080526-829-11

農民文学賞の贈呈式

喜びかみしめ 前田新さんら三氏


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右から前田さん、大沢さん、大倉さん

 日本農民文学会が主宰(しゅさい)する第五十一回農民文学賞の贈呈式が、四月二十九日、東京・新宿区の家の光会館で開かれました。今回の受賞者は、小説「彼岸獅子舞の村」の前田新さん(福島県)と詩集「引き出しの奥」の大塚史朗さん(群馬県・詩人会議所属)、特別 賞に詩集「大地がほほえむとき」の大倉尚美さん(北海道)の三氏。

 元会津農民連会長の前田さんが書いた小説「彼岸獅子舞の村」は、会津の過疎が進む農村で、伝統の獅子舞行事だけは守りたいと決心して、保存会の役員たちが苦労する話です。ある選者は「実にすがすがしい。この思いは、農作業をやりながら小説を書いているという“厚味”から出てくるのだろう」と語り、また「農村の崩壊が進行している現実を踏まえながらも、そのなかに希望の光が見える。読んでいて、私自身の心が救われた」といった感想も出されていました。

 前田新さんは、妻の喜代子さんといっしょに贈呈式に臨み、「この賞は無常の喜び」とお礼を述べ、「農村が疲弊(ひへい)し、限界集落という危機的状況の中で、今ほど農民の文学が望まれているときはない。今年で古希を迎えるが、この賞を励みに文学と呼べる作品を書いていきたい」とあいさつしました。(前田さんの“喜びの声”は、新聞「農民」3月24日付けに詳しい)

(新聞「農民」2008.5.26付)
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2008年5月

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