「農民」記事データベース20080128-813-01

春の大運動

いまこそ農民連の出番

結成20周年に向け会員・新聞読者を楽しく増やそう

 「食糧危機を打開する食料自給率向上と食糧主権を確立する国民運動を巻き起こし、史上最高の組織の峰で結成二〇周年を迎えよう」―農民連は一月十五〜十六日、東京で全国委員会を開きました。四十六都道府県から百十人余りが参加。米価下落や減反押し付け、品目横断対策など農業つぶしの攻撃をはねかえすたたかいとともに、来年一月の結成二〇周年に向けて、会員と新聞「農民」読者を史上最高に到達させるためにおおいに増やそうと、意気高い発言が続きました。

関連/第一回全国委員会への報告(1/4)


食料輸入に依存できない情勢!農政転換・自給率向上の国民運動を

農民連全国委員会開く

 たたかえば政治動かすことも…

 開会あいさつで白石淳一会長は、米価暴落対策では「農民連が広範な国民や農協などと共同して、政府に備蓄米買い上げや政府米の売却中止などの緊急対策をとらせたことは画期的な成果であり、参議院選挙後の情勢は要求を掲げてたたかえば政治を動かすことができることを示した」と述べ、こうしたたたかいを確信に、米の過剰作付けに対する異常ともいえる強制減反キャンペーンを打ち破り、二〇周年を迎える来年の大会に向け情勢に見合った組織づくりに果敢に挑戦しよう、と呼びかけました。(写真〈写真はありません〉

 常任委員会の報告(3〜6面)を行った笹渡義夫事務局長は、大会後のあらたな情勢に見合った今後のたたかいの方針について、(1)結成二〇周年を運動と組織の高揚の中で迎えるため、会員と新聞「農民」の過去最高数を回復・突破しよう、(2)食糧主権の確立を求める運動と合流しながら、農政の流れを変える運動に全力をあげよう、(3)地域と生産、担い手を作る運動とふるさとネットワーク・もう一つの流れを作る運動を前進させよう、(4)憲法改悪、消費税増税を許さないたたかい、ナショナル・ミニマムの確立を求める国民共同の運動を全国で展開しようなどを提起しました。

G8サミット(北海道)に対抗して「食糧主権の日」行動(7月4〜5日)

 続いて真嶋良孝副会長が、バイオ燃料による「食糧争奪」と食糧危機、WTO交渉の妥結阻止とEPA・FTA戦略とのたたかい、食糧主権の実現に向けた世界各地の取り組み、地球温暖化をめぐる情勢と課題について報告。北海道・洞爺湖で開催されるG8サミットに対抗して、七月四〜五日にビア・カンペシーナや広範な市民団体と共同して「食糧主権の日」行動(国際フォーラムやパレード)に取り組むことを提案しました。

 農民連の車に手合わせる年寄り

 討論では、二十八人が発言。米価下落・品目横断対策では、北海道連委員長の山川秀正さんが「政府は農家の不満を解消しようと小麦やビートに特別措置を講じたが、農家の期待を裏切るもの」と批判。新潟県連副会長の今井健さんは「全農の内金方式で米価が暴落し不安と怒りでいっぱいだったが、トラクターデモを行いたたかってこそ政治を動かせたんだと身をもって実感した」と報告しました。

 また、エサ代の高騰で緊急の危機突破集会を呼びかけたら四百人余りの畜産農家が参加したと報告したのは、群馬県連副会長の井上健太郎さん。県連内にあらたに畜産部会を設け、要求実現にむけて全国にも呼びかけていきたいと抱負を語りました。常任委員の坪井貞夫さん(岡山)は「中国地方で急速にすすんでいる“限界集落”のなかで、直売所や加工所に野菜を出荷しているお年寄りが、集荷にまわる農民連の幌(ほろ)の青いトラックに手を合わせている。集落を守るために、いまこそ農民連の出番」と話しました。組織づくりでは、岩手県連会長の久保田彰孝さんが「東北六県が競い合って目標を達成しよう」と呼びかけると、青森県連や福島県連から「岩手の“挑戦状”を受けて立つ」と力強い決意が表明されました。

「減反・助け合い・担い手」をテーマに全国的な交流会(2月13〜14日)

 笹渡事務局長は討論のまとめで、「昨年は“農民連ここにあり”のたたかいをおおいに広げた一年だった。米価を下げ止まりさせることはできたが、『米改革』の根っこは残ったまま。いつまでも外国から食糧を輸入できる時代は終わっている。米減らしの強権減反をはね返すことをはじめ、農政の流れを変えるたたかいにいまこそ立ち上がるときだ。来るべき総選挙は、その焦点です」と述べました。

 そして二月十三日の「なくせ貧困総行動」に呼応して大規模な農水省交渉を予定していること、翌日の十四日には「減反・助け合い・担い手」をテーマに全国的な交流・学習会を行うことを提案しました。また組織づくりでは「まず幹部が“さあ、やろう”と口火を切って、この春の大運動で見るべき成果をあげよう」と強調。

 続いて、全国委員会への常任委員会報告・まとめと財政・決算報告を全会一致で採択しました。

 また、前進座の俳優・妻倉和子さんが、五月に国立劇場(東京・千代田区)で上演される「怒る富士」(新田次郎=原作)を紹介し、「農民が主人公のこの演目をぜひご覧ください」と呼びかけました。

(新聞「農民」2008.1.28付)
ライン

2008年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2008, 農民運動全国連合会