「農民」記事データベース20070108-762-07

新春対談

いま、大いに語ろう
平和 憲法 教育 農業(1/3)

暉峻 衆三さん
農林水産九条の会呼びかけ人代表
三上  満さん
教育評論家・元全労連議長

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 暉峻 昨年は、五年以内に憲法を変えるんだと公言して、はじめて戦後世代の安倍首相が登場し、その手始めに、教育基本法改悪案と改憲手続き法案などを提出してきました。今、すごい危機感を持って晩年を過ごしています。

 悲惨な戦争語り継いで

 三上 今お幾つですか。

 暉峻 八十二歳ですよ。僕が小学校に入学するころが満州事変で、その後ずっと戦争がついてまわってろくに勉強もできなかった青春でした。最後は広島で原爆の惨禍を経験しました。

 戦争体験者としてどうしても言わなければならないことは、戦争は人間関係をずたずたに破壊する残酷で地獄のような世界であり、絶対にあってはならない、平和こそ宝だということです。戦争体験者として生き続ける限り、語り続けなければならないと思っています。

 三上 私はちょうど満州事変が始まるときに生まれ、名前もそれを記念して「満」なんですよ。

 暉峻 そうですか。

 三上 私は東京大空襲で街が丸焼けになったときに、はしけで働く人たちに助けられ、妹を背負って命からがら逃れました。その後、富山・高岡に疎開しましたが、焼いたモミを雪の田んぼにばらまくことから始まって、田起こしから収穫まで農作業をひと通り体験することができました。

 岩波新書から『戦没農民兵士の手紙』という本が出ています。これは、岩手の農民を中心に戦場から家族あてに送ってきた手紙をまとめたものですが、これを読むと、農家の男たちが、田んぼはどうなっているか、田植えは済んだか、おれのいないときにたいへんだろうとか、本当に家のことを心配しています。新潟・津南町の女性たちが『女たちの戦争』という体験記を出していますが、平和への力になりますね。

 暉峻 あの時代を生き抜いた人に、ぜひ書いたり語ったりしてくれと頼むんですが、思い出したくないというんですね。その気持ちもわかりますが、沈黙していると、待ってましたとばかりに悪い方向へ持っていかれてしまう。

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(新聞「農民」2007.1.1・8付)
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2007年1月

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