「農民」記事データベース20060710-739-01

農民の期待ひしひし 組織づくりで躍進を

農政「改革」に対抗して
地域農業を守る核に
今こそ農民連の出番

全国研究交流集会

関連/農民連ふるさとネットワーク第3回総会

 品目横断対策の農政「改革」を転換し、地域農業を守る新たな取り組みに挑戦しよう、仲間と新聞「農民」の読者を増やして、農民連が地域農業を守る核になろう――地方開催は五年ぶりとなる全国研究交流集会が六月二十七、二十八の両日、猪苗代湖を眼下に眺望し、緑あふれる会津磐梯山のふもと―福島県猪苗代町にある「ヴィラ・イナワシロ」で開かれ、北海道から鹿児島まで二十九都道府県から二百四十人が参加しました。


「食糧主権宣言」を広範な人々に

 がんばって地域共同を広げれば

 開会あいさつにたった佐々木健三会長は、「周辺の役場や農協、土地改良区をまわったところ、『明るい話などひとつもないのに、農民連は元気よくがんばっている』と言われ、期待の大きさを感じた。農民連ががんばって地域の共同を広げれば、今の農政を転換できる」と述べ、そのために組織を大きく飛躍させる集会にしようと呼びかけました。

 「憲法問題と戦後農政」と題して講演した暉峻(てるおか)衆三・元東京教育大教授は、「憲法改悪がたくらまれている今こそ、戦争体験者が自ら語り、書き記すことが、九条を守る大きな力になる」と述べ、原爆投下直後の広島で体験したことや、友人が書き残した戦争体験の手記を紹介。自民党の改憲案と現行憲法を条項ごとに対比させながら、憲法を守る運動の大事さを熱っぽく語り、参加者に大きな感動を与えました。

 多数者の心をつかむことできる

 続いて真嶋良孝副会長が、「食糧主権宣言(案)」と国際フォーラムでの各国代表の発言を載せた、刷り上がったばかりのブックレットを手に、アメリカやEU、ブラジルなど各国の利害が対立しているWTO交渉の現状と、食糧主権の考え方を詳しく報告。「食糧主権は、政府が進める農政『改革』に対抗する根本的な方向を示しており、多数者の心をつかむことができる」と述べました。

 問題提起を行った笹渡義夫事務局長は、品目横断対策について、「国会で成立はしたが、農水大臣が『実効性に未知の部分があり、見直しを検討』と述べざるを得ないほど、すでにぼろぼろだ」と強調。各地の見直しを求める動きを紹介し、対策の受け皿づくりを優先するのではなく、「農民連のメッセージを広範な人々に届け、全農家を対象にした価格保障を要求するとともに、地域の実情や要求を踏まえて生産と農地を守る世論と運動をつくっていこう」と呼びかけました。

 また笹渡氏は、こうした取り組みに全力を挙げながら、来年一月に二年ぶりに開かれる全国大会に向けて、会員と新聞「農民」読者の拡大を活動の正面にすえようと訴え。当面、七月中に五百人の「農民」読者の拡大を提起しました。

 消費者と連携し農業守ってゆく

 また、宮城県連事務局長の鈴木弥弘さんが「憲法を守るたたかい」について、大分・下郷農協組合長の横山金也さんが「農協攻撃をはねかえした下郷農協のたたかい」について、長野県連副会長の竹上一彦さんが「品目横断対策とのたたかいと対応」について、福島県連事務局長の根本敬さんが「福島県連のたたかいと組織づくりの経験、今後の戦略」について、それぞれ特別報告しました。

 このうち、下郷農協の横山組合長は、「〇六年度決算は、全国的な支援で黒字になり、合併攻撃をはねかえすことができた」と報告。そして、「これからも“消費者と連携し地域農業を守る”という経営理念を高く掲げ、組合員が主人公の農協運営を進めていきたい」と決意を述べました。

 二日目は、三つの分科会に分かれて、各地の取り組みや経験を出し合い、活発に討論しました。(詳報は2面)

 最後に笹渡事務局長は、「いま、農民連の飛躍が求められている。農家に足を運び農民の要求をつかんで、憲法を守るたたかい、地域農業を守るたたかいを全国津々浦々から広げよう」と呼びかけました。


品目横断対策への対応、勉強になった

 「農家組合長として集落営農づくりが迫られており、品目横断対策に対する取り組みがたいへん勉強になった」
(岩手・武田猛見さん)

改憲阻止が土台だ

 「暉峻さんの戦争体験をふまえた講演を聴いて、非常に感銘を受けた。憲法改悪をストップさせるたたかいは、すべての要求・たたかいの土台」
(奈良・下村敏之さん)

組織拡大の取り組み奈良の例を参考に

 「組織拡大のためには、要求にもとづくたたかいが必要と感じた。奈良県連の経験はたいへん参考になった」
(山形・梶昇司さん)


農民連ふるさとネットワーク第3回総会

日 時 7月26日(水)午後1時30分〜27日(木)正午まで
場 所 東京・台東区民会館 9階「大ホール」
    (地下鉄銀座線・東武線「浅草駅」下車徒歩5分、
    都営地下鉄線「浅草駅」下車徒歩8分)
    〒111―0033台東区花川戸2丁目6―5
    電話03(3843)5391 Fax03(3843)5394
(新聞「農民」2006.7.10付)
ライン

2006年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-22249

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2006, 農民運動全国連合会