全国委員会の発言から
「農業構造改革」に立ち向かう
関連/食糧主権を国民的な世論に広げよう
一月十五日に行われた全国委員会では、農業「構造改革」の実態と、それに立ち向かう力強い決意が語られました。発言の要旨を紹介します。
“法人化ムリ”が圧倒的な予想
“集落は集落で守る”と決め
滋賀県 北村富生さん
滋賀県は、富山県に次いで集落営農が多いそうです。「滋賀で成功しなければ全国で成功しない」と、今年八月をめざして、(1)すぐに法人化できるところ(2)集落営農があるところ(3)集落営農はないが集団転作をやっているところ―で話し合いがなされています。しかし「法人化は無理」というところが圧倒的です。
私もいくつか説明会に出ましたが、パンフの中身を説明するだけで、対策の中身がほとんど知らされていないことが最大の問題です。
私の集落は、生産調整面積が平均を超えているため、「集落営農でなく個人個人でやる」と市に言いました。したがって、去年はほとんど減反しませんでした。私の集落は「経営安定対策にはのらない。集落は、集落みんなで守る」ことを決めました。
多くの農家は、生産調整の不安を抱えています。経営安定対策の実施によって、多くの農民自らに集落をどうするかが問われています。農民連の方針を徹底し、組織を大きくするチャンスです。
現実離れの目標あげた市構想
中身を住民に知らせろと要求
岐阜県 中島新吾さん
中山間地の実態を話します。飛騨地域の農協は、合併して大阪府よりも広くなりました。三千ヘクタールの水田で、八千七百戸の稲作農家がいますが、一戸の平均は〇・三ヘクタールです。
家のまわりの田んぼや畑は、イノシシ、猿、鹿の害から守るためにトタン、網、電気牧柵で囲われています。田んぼは一枚がせいぜい十アールで、あぜも広く水が足りないから、雨が降るのを待って、代かきをやり山水をホースで引いています。
六十五歳以上の農家が三五%を超えていますが農地をしっかりと守ってくれています。こういう努力のうえに地域が成り立っているのです。下呂市は合併して四万人になりましたが、合併の目的である経費節減で保育園を一つに統合してしまい、通うのに片道十三キロかかり、若者がますます住めなくなっています。
市の基本構想では、農家所得の目標が六百三十万円。その根拠が米一俵二万二千円というばかげたものです。「経営安定対策の中身をもっと住民に知らせて、話し合いを強めよ」と、市に求めています。
(新聞「農民」2006.1.30付)
|