食糧主権を国民的な世論に広げよう農民連全国委員会開く
「食糧主権を国民的な世論に広げよう」――農民連は一月十四〜十五日、都内で全国委員会を開きました。四十一都道府県から約百人が参加。憲法改悪の策動や「農業構造改革」の攻撃をはね返す運動とともに、WTO体制への対案として提唱された食糧主権を草の根に広げる「食糧主権宣言」運動を提起し、これらを前進・実現させる強大な農民連の建設を呼びかけました。(関連記事2面)
「農業構造改革」をはね返そう開会あいさつで佐々木健三会長は、昨年末のWTO香港行動にふれ、「農民連の活動は国内でも国際的にも際立っている。これを広く国民、農民に知らせよう」と強調。続いて元参院議員(日本共産党)の吉岡吉典さんが、憲法改悪を阻止する運動と展望について講演し、憲法の先駆性を明らかにしながら「戦争は違法・犯罪とされている時代に、戦争できる国をめざす憲法改悪は絶対に許せない」と訴えました。
組織強化、新聞「農民」の拡大を常任委員会の基本報告(3〜6面)を行った笹渡義夫事務局長は「農業構造改革」に対するたたかいについて「これを厳しく批判するとともに、農民と苦悩をともにしながら組織を発展させ、農山村の多数者をめざそう」と述べて、(1)新聞「農民」PR版を使った学習や対話(2)自治体への働きかけ(3)自主的な助け合い組織の確立(4)地産地消を軸にした多様な提携などを提起。さらに「読者拡大チャレンジャー」「会員一人紹介」運動を呼びかけ、三月までの「春の大運動」で千人の会員と二千人の新聞「農民」読者の拡大を訴えました。続いて真嶋良孝副会長がWTOと食糧主権をめぐるたたかいについて報告。マスコミが香港閣僚会議をWTO体制の「挫折」「機能不全」と評価していることを紹介しながら、「前進したのは世界の農民・民衆の運動と発展途上国の団結だ」と指摘。ミニマム・アクセスの拡大を提案する日本政府に撤回を求めるとともに、「食糧主権宣言」の地方議会での採択など、国民的に政府を包囲していく運動を呼びかけました。
草の根から政府包囲の大運動を大増税など悪政に怒りの発言を討論では、千葉県連の大木伝一郎委員長が合併市の農業委員全員に新聞「農民」の読者になってもらった経験を語り、「過去最高の前進をはかりたい」と決意表明。富山県連の水越久男書記長は農協解体攻撃をはね返すためにも読者の拡大が必要と力説し、女性部の中島仲子副部長(埼玉)も「品目横断対策に悩む小麦産地で新聞を増やしたい」と発言しました。税金運動では、大阪府連の田中豊書記長が、控除の縮小・廃止や消費税で納税額が一気に三十四倍になる農家の実例を紹介し、「二十年の経験でこんなにひどい増税は初めてだ」と、小泉悪政を告発。税対部の坪井貞夫さん(岡山)は、「今こそ農民連が培った蓄積を生かして、重税への怒りを組織しよう」と訴えました。 常任委員の岡田厚美さん(愛媛)は、地域農業を守る共同を広げ、「食の安全と安定供給のための都市宣言」を採択した今治市の経験を報告。また分析センターの石黒昌孝所長は、ポジティブリスト制の施行に対応した施設の拡充をはかる二千万円カンパを訴えました。
誇りと確信もって前進しよう笹渡事務局長は討論のまとめで「農民連は、食糧主権を提唱したビア・カンペシーナに加盟する国内で唯一の団体。誇りをもって前進しよう」と強調。続いて全国委員会への報告・まとめとともに、第十六回大会に提案された行動綱領改正案を全会一致で採択しました。
(新聞「農民」2006.1.30付)
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[2006年1月]
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