地域と密着、農の守り手活躍する農民連会員の農業委員(2/2)/活躍する農民連会員の農業委員(2/2)
人口密度日本一 宅造化急ピッチの埼玉・蕨市では都市農業を乱開発から守るため農業委は存続させて切実な声続々農地を守り、農作物の生産が将来にわたって続けられるようにと、各地で重要な役割を果たしている農業委員会。日本一小さな市、埼玉県蕨(わらび)市(面積五・一平方キロメートル)では、農業委員会廃止の動きが急浮上しています。「農業委員会を残して」という農家の声は切実です。蕨市は、都心からJRで三十分の首都圏近郊に位置しています。人口七万人で、人口密度も一平方キロメートルあたり一万四千人と、日本一です。年々宅地開発が進み、農地の面積は八ヘクタールです。
大型開発プラン進行の陰で市は現在、市民に負担を押しつけ、大型開発は温存する「行政経営戦略プラン」の策定作業を進め、その中で「農業委員会の廃止」が検討されています。昨年十月の農業委員会定例総会でも、市民生活部長は「農地面積の狭い蕨では農業委員会も合理化が必要」とのべました。委員からは「農地は、地震などの災害時に市民の避難場所としてなくてはならない」「過密化し、都市化されたところで、人々に安らぎを与える緑地になっている。いやしの場、子どもたちの心の成長のためにも農地は必要」など、都市近郊の農業の必要性を説く意見が続出しました。 さらに「市の職員だけで農業問題をカバーできるのか」「農家が発言する場がなくなる」「農地を維持・管理している人の目で見ることができる農業委員会は必要」など、「農業委員会を残してほしい」という要望も多く出されました。
市長に存続を求める要望書こうした意見をまとめ、昨年十二月に、田中啓一市長にたいして、「農業委員会の存続を求める要望書」を、市議三人を含む委員全員と農家六十人分の署名とともに提出しました。市長は「廃止すると決めたわけではない。結論をもう少し待ってほしい」と答えました。ところが三月議会で、市長は「農政の発展は望めない」と廃止の意向を示しました。 存続を求めている、議会選出の農業委員、清水直子さん(日本共産党)は「農家の声は切実です。市は、立派な農業を営んでいる農家も市内にあることを把握すべきです。農家の声を重く受け止めてほしい」と話しています。
(新聞「農民」2005.5.16付)
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[2005年5月]
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