04年全国研究交流集会各地からの発言東海ネットの取り組み 吉川利明
全国のネットを生かし産地リレーで供給保障小さな農家までも全国ネット立ち上げにあたり、ブロックネットはどんな形で何ができるか考えながら、東海ネットの取り組みを報告します。東海ネットは市場、生協、生鮮市の三つが柱ですが、三つあることで大きい農家から小さい農家までがうまく出荷できています。まず市場ですが、全国のネットワークを生かしたリレー出荷が大きなテーマです。リレーの一つは加工用大根で、九八年に鹿児島の大根を入れ始め、今は十一月〜六月までの七カ月間、毎週名古屋に届いていますが、今年は八〜十月に岩手から入る予定です。ジャガイモと玉ねぎは北海道が十〜三月、四〜七月は長崎から入っていますが、卸は農民連の玉ねぎとジャガイモの年間供給をしたいので、長崎の後を紹介してほしいと話しています。
複数の産地を配置次に生協ですが、一つは小さな生協で、こちらが企画を提案して足りない物を生協が手配する関係になっています。最初は三月まで出荷する伊豆のニンジンだけでしたが、四月に徳島、五〜七月は愛知、夏は長野や北海道とリレーする中で、次はジャガイモと玉ねぎでという話になり、四年間で三十数品目になっています。生協にとっては、誰がどうやって作ったかがわかるのが魅力なのと、ブロックと全国ネットによる欠品のフォローを期しています。もう一つは東海コープ事業連合で、柱はリレー出荷と複数産地配置、共同企画の三つです。昨年、静岡のみかんと和歌山の柿、二つの産地を一つの共同企画として提案しました。また、大根で熊本、和歌山、愛知、鹿児島の複数の産地を配置して提案しました。これは欠品や台風などの被害を避けるもので、これも全国ネットの仕事です。今後、全国の力を借りながら、減農薬の大根、コマツナやミズナ、ブロッコリー、レタスやキャベツなどを提案したいと考えています。 生協が事業連合を広げるほど、一つの産地で対応できなくなりますが、市場の農産物では生協産直の魅力は出しきれません。全国ネットとブロックネットの力で、生協との取り組みが大きく広がる可能性があります。 それから生鮮市ですが、生協が名古屋市内で閉店した二店舗でやっています。愛知だけでなく長野、岐阜、静岡などのブロックで対応したことで、特徴ある直売所ができています。また、商店街で青空市をやったところ、商店街の会長さんは「ぜひこれからも協力して下さい」と話していました。単なるもの売りの直売所ではなく、消費者と一緒に地域をどう守るかという取り組みが必要だと思います。
生協と市場からめ生協には注文数しか出せない一方で、もう少し畑に置いておきたくても注文が来たら出さないといけません。生協と市場をうまくからめ、百のうち五十を生協に出しながら、もう五十は市場で有利販売していく、こんな組み合わせができたら、もっと農家が大胆に作れるし、大胆にものが動くと思っています。生協、市場、生鮮市も含めたいろんな販路を組み立てていけば、もっと広がってくるし、こうした取り組みが全国で進めば、本当に全国三千キロのネットワークも夢じゃないと思っています。
(新聞「農民」2004.4.26付)
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[2004年4月]
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