「農民」記事データベース20040216-623-01

BSE、鳥インフルエンザ…不安いっぱい

今こそ畜全協の出番

安全な畜産物を消費者に

関連/日本の安全対策現場を視察

「今こそ畜全協の出番。安全な畜産物を消費者に届け、国民の期待に応えよう」――アメリカでのBSE発生、鳥インフルエンザの世界的流行など、食の安全性が大きな話題になるなか、一月三十〜三十一日、畜産農民全国協議会(畜全協)の第十回総会が神奈川県湯河原町で開催されました。


世論と結びつき運動大きく前進

第10回総会 活発な討論

 総会の冒頭、 酪農家で農民連会長の佐々木健三さんが「前回の総会以降、BSE特別措置法を実現させるなど畜全協の運動が、安全な食料を求める国民世論に大きく結びついた。この世論が今、アメリカのBSE対策に対して、日本政府がNOをつきつける後押しになっている」とあいさつ。

 討論では「鳥インフルエンザもBSEも、輸入を前提にしたグローバリゼーションの破綻のあらわれ」「グローバル化した多国籍企業の横暴が、食を荒らし、農業を成り立たなくさせている」など、世界的な問題について活発に意見をかわしました。

 また家畜のふん尿処理をめぐる各地の実情や、持続的な畜産をどうめざすかについても熱心に討論。「畜産農家と耕種農家の連携を強めて、堆肥の循環サイクルづくりに取り組んでいこう」「多くの畜産農家が積極的に取り組んでおり、この努力をもっと消費者に知ってもらおう」といった積極的な意見が出されました。

 この他、「全国ふるさとネットワークに畜全協も積極的に参加して、これからの畜産経営への具体的な提案をもって、仲間作りを進めていこう」「畜産農家は孤立しがち。問題や新しい法律など情報をすべての農家に知らせていくことが必要」などの発言が続きました。

 最後にBSE対策や価格保障など七項目にわたる運動方針を採択。新役員には、会長に静岡県の養豚農家の森島倫生さん、事務局長に神奈川県の養豚農家、安西肇さんなどが選出されました。

 二日目は、安西さんが代表をつとめる養豚場とその隣の加工所「湘南ぴゅあ」を見学。十七年をかけて開発した、おいしくて無添加のハム・ソーセージ・精肉を製造する熱意に感激し、まったくにおいのしない豚舎を訪れ、元気で愛らしい母豚と対面。バーベキューでおいしいソーセージや豚肉をお腹いっぱいごちそうになりました。

(新聞「農民」2004.2.16付)
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2004年2月

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