第13回非同盟サミット民衆の力に依拠して前号1面続報
第十三回非同盟諸国首脳会議で繰り返し強調されたのは、民衆の力に依拠した「非同盟運動の再活性化」。この点で印象深いことが三つありました。 一つは、首脳会議前夜(二月二十三日)に開かれた二十万人規模の平和集会です。マレーシアでは、まるでタイマーをセットしたように連日、夕方に激しいスコールがありますが、雷雨を押して人々がつめかけた国立競技場では、人気歌手たちが次々にステージにあがって平和を歌いあげ、マハティール首相はじめほとんどの閣僚が出席。 会場までの電車は、この日に限って無料で、私たち日本人も「平和集会に行く」と言ったら、「オーケー」。しかも駅には「今日の最終電車は午前三時」という張り紙があり、集会は深夜に及びました。「マレーシア平和のための人民連合」が準備した青旗や「ウイハートピース」の鉢巻きをした若い人たちの姿がとくに目立ちます。 人口二千三百万のマレーシアで、この日までに集まったイラク戦争反対署名は二百万人をオーバーしたといいます。 国民の力に依拠し、イラク戦争反対と非同盟サミットを成功させる並み並みならぬ決意のあらわれでしょう。 もう一つはサミット会場で配布されたマハティール首相の単行本(『グローバリゼーションと新しい現実』)。「略奪者がわれわれを破滅させるのを座視するわけにはいかない」という副題がついたこの本の序文を書いているのが、マレーシアの有力なNGO「第三世界ネットワーク」のリーダー、マーティン・コー氏であることは、私にとって快い驚きでした。 コー氏は、九九年にWTOがシアトルで開いたシンポジウムで、痛烈にWTOを告発した人物。こういうNGOリーダーが、マハティール首相の著作の序文を書くというところに、民衆の力に依拠するという精神が付け焼き刃ではないことを感じました。 三つめに、日本からの参加者にとって最も喜びだったのは、日本AALAに加えて、日本原水協が非同盟諸国首脳会議の恒久的なゲスト組織として承認されたことです。FAOなどの国連機関と並ぶゲスト組織に新たに日本原水協を加えた――腰を据えて核兵器廃絶に取り組むという決意のあらわれでしょう。
歴史的な瞬間に立ち会ったという思いを深くしたマレーシア訪問。一緒に参加したのは、赤松宏一(日本原水協代表理事)、秋庭稔男(AALA理事長)、岩田幸雄(全労連国際局長)、緒方靖夫(参議院議員、日本共産党国際局長)、北村実(早稲田大教授、AALA副理事長)、幸野堯(AALA副理事長)の各氏。 (新聞「農民」2003.3.24付)
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[2003年3月]
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