転作奨励金も稲作経営安定対策も廃止政府、抜本改悪を提案
政府は転作奨励金と稲作経営安定対策を再来年(平成十六年)から廃止するねらいを公式に明らかにしました。「米改革」を検討している生産調整研究会に十一月一日、政府が示した「再構築の基本方向」で明らかにしたもの。
転作奨励金廃止「まさか」と思う方もいるかもしれませんが、証拠は歴然としています。 政府は「反別・作目別助成金」「補償金的ネガ助成」、つまり転作奨励金(水田農業経営確立助成)を再来年から「廃止」することを強調しています(委員からの質問に対する回答)。 そして、これに替えて「産地づくり推進交付金」制度を作ることを提案しています。これは今年度から始まった「地域水田再編緊急対策」(日本型CTE)とほぼ同じで、「水田農業の構造改革」にとりくむ農家に対し、市町村を通じて助成するというもの。 つまり、転作をやれば誰でももらえる奨励金の本体(最高で十アール七万三千円)は廃止し、十アールあたり九百円弱の“構造改革補助金”しか出さないというのです。
稲経補てんは半分以下にもう一つ問題なのは、稲作経営安定対策を廃止して「生産調整協力交付金」を作るという提案。 現在は(1)拠出は農家が四分の一、政府が四分の三、(2)米価下落分の八割を補てんしています。 ところが政府案では、(1)拠出金の割合は農家五割、政府五割、(2)米価下落分の四割補てん+一俵(六十キロ)二百円(固定部分)。 二〇〇〇年の補てん金は全国平均で一俵千八百円。これが四割補てんになると九百円。現在四百円前後の農家負担が二倍になると、「固定部分」二百円は吹っ飛んでしまいます。農家は今までの二倍の負担をして、もらえる補てん金は半分以下に減ることになります。 農民がたちゆかなくなるほどの減収策を提案しておきながら、そして自分は公共事業から甘い汁を吸う「喜び」をなめながら、大島農相は一日の経済財政諮問会議で「生産者に作る喜びを」などと述べています。 事態打開のために、新聞「農民」カラー号外や本紙十一月四日号と本号を活用し、宣伝・対話、共同を大いに広げましょう。
(新聞「農民」2002.11.11付)
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[2002年11月]
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