「農民」記事データベース20020909-553-11

六人の正則高生

ナスのトゲに驚きながら真夏の福島で体験

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   ナスのトゲに驚きながら真夏の福島で体験
   「なかなかやる」と関心
   中身の濃いものでした

 元気な正則高校二年生の女子生徒六人が、七月二九日から八月二日まで、福島県小高町で農業体験学習を行いました。学校生活では経験できない「農業」を四泊五日で体験しました。
(福島県農民連 佐々木健洋)


 「痛っ! ナスってトゲがあるんだ」。初めてのナスの収穫作業ではナスのトゲが手に刺さり、驚く場面も。小高駅に到着した正則高校生六人は、さっそく二人ずつ三軒の農家分かれ、農作業を体験しました。

 生徒たちはナスのトゲに驚くのもつかの間、ナスの箱詰めなど、出荷作業をこなします。また、小さな種を一粒ずつていねいにポットに蒔いていくブロッコリーの播種作業では、集中力が必要なため生徒の顔から汗が噴き出していました。

 昼食後は近くの海で一休みし、気温が下がり始めた頃から農作業を再開します。期間中は暑い日が続き、草むしり、ジャガイモ掘りなど、屋外での農作業は大変でしたが、早朝、近くの川でうなぎ釣りをしたり、夜に蛍の観察に出かけたりして、自然の豊さも体験しました。

 三日目の夜、地元、浜通り農業を守る会青年部が行った歓迎会では、生徒達が収穫した野菜、部員がさばいた天然うなぎの蒲焼きなど、新鮮な地元の肉や魚を食べながら交流。自己紹介のあと、おいしいものを食べて元気を取り戻した生徒たちは、互いの農作業の話で盛り上がっていました。

 帰りの日、駅に集合した六人は少し日焼けした様子。短い期間でしたが、農家の農業への思いや考え方、農業の大切さを理解してもらい、これからの生活に役立ててもらえればと思います。


「なかなかやる」と関心

受け入れ農家 渡部チイ子

 正則高校の沢口さんと高梨さんが、農業体験で我が家に来ました。ジャガイモの収穫、ネギ畑の除草など、三十度を超す暑さの中、精一杯がんばりました。二人は、帰るまでにこの仕事を終えようと、雑草取りに燃えていました。そして「できたよ」って笑顔で帰っていきました。私は「高校生もなかなかやるな」と感心しました。

 学校教育の中では農業のページが減っていると聞いています。体験の中で農業を好きになってくれたら最高です。兄ちゃんと釣ったうなぎの味も忘れないで欲しい。また来年もおいで下さい。


中身の濃いものでした

正則高校二年生 吉江和代

 初めは、真っ暗で静かな夜が寂しく不安で、せかせかグセも出てばかり。でも、朝早く起きて、野菜を収穫して、ニワトリに水をあげて、お腹がぺこぺこになってご飯を食べる。天候に合わせて仕事をする。そんな五日間は本当に中身の濃いものでした。

 東京に戻ったとたん、人の多さ、にぎやかさ、明るさにビックリ。トラックの荷台、ネギ畑、海、三浦さんの家。もう一度行きたいなぁと思い、言葉で言い表せないけれど、忘れてはいけない、大切なことに会えた五日間でした。

(新聞「農民」2002.9.2・9付)
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2002年9月

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