「農民」記事データベース20020729-549-02

固定資産税相続税の“引き下げ”取り組めば成果!
来年の「評価替え」に向けてすすめよう

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 来年(平成一五年)は三年ごとに行われる固定資産税の基準年度評価替えの年です。

 私たちの要求は「生活に不可欠な資産に税金をかけるな」であり、課税する場合も「収益で払える税金に」です。ところが、農業関係の資産ほど、この当然の要求が無視されています。また、「地価が下がっているのに固定資産税が上がるのはおかしい」との怒りの声があがっており、矛盾はますます深まっています。


 各地で広がる“引き下げ”運動

 固定資産税が農業収益で払えないという矛盾の原因は、「農地の宅地並み課税」です。三万円の農業収益に対して三十万円もの税金がかかるという、こんなばかな話はありません。

 農業用施設用地への課税も同様で、農業収益をまったく無視した課税です。

 このような情勢に「裁判でたたかおう」という例が増え、静岡県浜松市の農家の農業用施設用地をめぐる訴訟は、課税者の浜松市が敗訴。

 国は、農業用施設用地の固定資産評価基準の新設を余儀なくされました。

 これを受けて前の基準年度評価替え(平成十二年度)では、農業用施設用地をめぐる農民連の取り組みが全国に広がり、各地でさまざまな成果をあげました。

 重税攻撃は相続税にも…

 情け容赦のない農地への重税攻撃は、相続税にも向けられています。

 今回の税調答申でも、農地の相続税納税猶予制度を廃止し、相続を機に農民から農地を奪う方針はゆるめていません。

 農地の相続税に対する「納税猶予制度」は、農地を売買価格で評価し、その税額と農地価格(農業投資価格)で計算したときの税額との差額の納税を猶予するというものです。

 納税猶予を受けた農地が、全都道府県、七万ヘクタールを超えるという実態からみれば、まさに全国的課題です。

 こうした動きを多くの農民に知らせるとともに、農民連の支部や班などで大いに学習をおこない、具体的な事例で学び合い、たたかえる力量を身につけることが重要です。

 課税強化をはねかえそう

 固定資産税の評価替えを指導する総務省は、昨年五月十六日付の通達「平成十五年度固定資産の評価替えに関する留意事項」では、農業関係について次のように指示しています。

 (1)価格調査規準日は平成十四年一月一日、(2)現状把握は評価替え前年においては、特に農地・山林の標準地、市街化区域農地、介在農地、介在山林等の状況の変化に留意する、(3)農業用施設用地の評価は平成十一年九月二十九日付の「農業用施設用地の評価等に関する留意事項について」の通達で均衡化・適正化を図る、などとしています。

 つまり、「これまでの固定資産税への重税方針を変える気はなく、追求を早く準備せよ」というものです。

(新聞「農民」2002.7.29付)
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2002年7月

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