本の紹介心のコートを脱ぎ捨てて増田れい子著
働く人の視点から書かれた心あたたまるエッセイ集毎日新聞の学芸部編集委員、論説委員などを経て、現在はフリージャーナリストとして活躍している増田さん。本紙にも何回も執筆しています。増田さんが一九八七年夏から国公労連の機関誌『調査時報』(月刊)に十五年間にわたり連載していたエッセイのなかから選んでまとめたもの。百六十一篇のなかから三十九篇が収録され、「花と食」「生きる」「身のまわりのこと」「戦争」「働く」「希望」の六つのテーマにおさめられています。 輸入農産物の激増で白菜価格が暴落、農家の手取りが一円にしかならないという実態を詩にした武力也さんの「白菜の詩」。本紙でも紹介し、大きな反響を呼びましたが、増田さんは「ギョッとする詩に出あった」と驚き、「一読、こころのなかで握りこぶしをつくった。二読、涙がこぼれた。三読、これは多くのひとに知ってもらいたいと思った」と書き、「食料をつくり出すひとびとが不安のなかに放りこまれていることが、私たちの社会の病状を端的に示しているのではないだろうか」と指摘します。 身のまわりや日本、地球上の出来事などを取り上げ、働く人の視点から書かれているエッセイ集です。心あたたまり、勇気づけられます。ぜひ読んでください。 (西村) (岩波書店 税別千六百円)
(新聞「農民」2002.7.22付)
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[2002年7月]
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